第7話

命 脈 ❆*.
332
2025/12/16 10:00 更新


諸用により 、


あなたの名前(漢字)は帝に呼び出されていた 。



顔を見られる訳にもいかず小さな小路の方を通ると 、


やはり下女達が忙しなく往来していた 。



しかし顔を覆っていてもそれが高貴な身の者と分かり 、


下女たちは慌てて荷物をおいて頭を下げるのだった 。




楽にしていて欲しいのだけど 、 とあなたの名前(漢字)は思う 。




帝が待つ御殿に立ち入ると 、


あなたの名前(漢字)はようやく覆面を外した 。
帝
少し 、 碁に付き合え


通された部屋に入ると 、


帝はまさに従者に碁盤を運ばせているところであった 。
あなたの名前(漢字)
はい 、 陛下


二人がけの小さな机の上に碁盤が用意され 、


あなたの名前(漢字)は従者に促されながら席に着く 。
帝
昨晩は別の “ 御通り ” があったと聞き 、 呼びつけられず
あなたの名前(漢字)
またそのようにご冗談を仰いなさる
帝
事実であろう


帝はどこか親しみを込めた笑みを浮かべ 、


あなたの名前(漢字)を見つめている 。



壬氏が訪ねる際は 、 一応帝にも断っているという 。



しかし帝が “ 御通り ” という語を用いるのは 、


決して皮肉からくるものなどではなかった 。
あなたの名前(漢字)
あの方 、 夜の更ける前には帰ってゆかれましたわ
帝
ほう …… では惜しいことをした


帝のからかいはまだ尽きぬようで 、


あなたの名前(漢字)は苦笑した 。
あなたの名前(漢字)
ふふ …… 碁のためだけ 、 ですのに ? 


帝は眉を顰め 、 視線を碁盤へと落す 。
帝
そうだ


ふた月に一度から二度ほど 、


あなたの名前(漢字)の元には帝の通いがあった 。



誰の元へとまでは行かずとも 、


当然後宮中にはその噂が蔓延している 。




しかし実の所 、 あなたの名前(漢字)は帝の暇つぶしに過ぎない 。



当然手つきもなければ 、 寝殿に連れることもない 。



噂ばかりが立つだけで 、 昇級の兆しもない 。



帝の本意は 、 あなたの名前(漢字)にも分かりかねていた 。
帝
そなたの手にいつも驚かされる 。 まったく飽きない


碁石を打ちながら 、 帝は溜息混じりに呟いた 。
あなたの名前(漢字)
ふふ …… 畏れ多いですわ


あなたの名前(漢字)はたしかに碁が得意であった 。



だがそれを知る相手も 、 披露する相手も 、


この目の前のやんごとなき方のみである 。
帝
先の騒ぎに乗じ 、 壬氏彼の者には苦労をかけていてな
あなたの名前(漢字)
ええ 、 そのようで


騒ぎというのが園遊会の事であるのは知っている 。



上級妃に毒が盛られたという話は 、


女官達の噂において行きがかりでも何度も耳にした 。
帝
そなたにも苦労をかけることになる

その痛ましい表情に 、あなたの名前(漢字)は小さく首を振った 。
帝
あなたの名前(漢字)


静かに呼ばれ 、 あなたの名前(漢字)もまた顔を上げる 。
























帝はただ 、 自身のを真っ直ぐに見つめていた 。

プリ小説オーディオドラマ