これは夢?
まさかあのジヒョちゃんとお友達になれるなんて
それからは数日に一回程度で電話をする仲になった
好きな音楽の話。
最近見た映画の話。
どれも特別じゃない、普通の会話。
ステージの上では数万人の前で堂々としているのに、
電話で話すジヒョちゃんはとても幼くて明るい。
そう言うとジヒョちゃんはちょっと照れくさそうに笑った
軽く笑いながら言っているけど、その奥に少しだけ本音が混じっている気がした。
電話を切った後、
ジヒョはベッドに座り込んでスマホを見つめていた
胸の奥にある気持ち
電話越しに何度もこぼれそうになる
"好き"って。
"会いたい"って。
"特別になりたい"って。
でも、そのたびに押し込める
ダメだよね、
アイドルとして
そして、この関係を壊さないためにも
言ってしまったら、全部終わってしまう
○○が離れていくかもしれない
今みたいに話せなくなるかもしれない
それが怖かった
自分で選んだ言葉なのに、その枠が少しだけ苦しい
でも…
それでもいい
こうして繋がっていられるのなら
声を聞けるなら。
それだけで、今は十分だと自分に言い聞かせる
同じ頃、○○もまた、スマホを手にしたまま考えていた
敬語のままなのは、
でも、それを崩す勇気が出ない
崩した瞬間に何かが変わってしまいそうで
ただ一つ分かっているのは
この関係がもう"ただの推しとファン"じゃなくなっているとういこと"














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。