私の肩に手を置きながら、会話を続ける。
先程までいがみ合ってた二人が
こちらに近づいてくる。
読みが外れてるとは露知らず
1人、勝手に納得していた私は
過去の思い出が頭に浮かぶ。
倫太郎との出会いは
父の出張先の愛知県へ家族総出でついて行き
そこでたまたま公園で1人バレーをしていたら
話しかけてきたのがこの角名倫太郎だった。
そこから出張期間の一週間だけ
二人でバレーをして遊んでいたのだ。
本当に短い間だったので
友達と言っていいのかも怪しい
だから、倫太郎が躊躇ったのも
そのせいだと思っている。
私に向いていた敵意が
隣の人に移り変わる
ごめんの意味を込めて片手✋🏻を上げる
三人が固まる。
そんな中、私の頭にはある言葉が浮かび上がった
「人に聞くときはあだ名じゃなくて名前で言いなさい」
老川に言われた言葉だ。
「よかった」
が彼氏いなくてざまぁみろ
の意味と捉え、少し頭にクる
歩きだそうとした私と手を引っ張りながらそう言う。
しかし、気のせいと思いたいけど、
さっきから女のコの視線が痛くて仕方がない。
「あつむ」
「おさむ」
と書かれたうちわを持っているので
金さん銀さんのファンだろう。
こいつらのことは知らないのに敵意を向けられて
私は居心地が悪い。
だからこの場を早く去りたいのだが
何故か引き留められる
未だ私の手を離すことなく
片手でスマホの操作を始めた
主に後ろにいる2人ね
と言いたいが、口には出さず
心にとどめる。
「この際早く交換してここから逃げるか」
とポケットにある携帯を取り出そうとした。
そんなとき
私と倫太郎の間に入ってきたのは
爽やかこと、菅原孝支だった
爽やかに手を引かれ
倫太郎に別れを告げる。
こんな会話は私達には聞こえなかった。
2人で肩を並べて歩く。
お互い、手を繋ぎっぱなしとは気付いていないようだ
「ケチー」
と頬を膨らませる。
そして流れるように爽やかに着いていき
たどり着いたのは烏野のメンバーがいる所だった。
言われた瞬間すぐさま手を離す。
まるで自分が言われたかのように
しょぼくれるひげ。
曇りなき眼で私を見てくるオレンジに
「またね」
の意味を込めて頭を撫で、私は泊まる予定の宿に足を運んだ。
自分が産んだわけではないが
最近のオレンジが、我が子のように思えてしまう今日この頃。
少しだけ、赤貝たちが
私の頭を撫でる意味が分かった気がした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!