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第1話

⒈(夢主verのみ)2868文字
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2023/12/11 15:43 更新
夢主の話なんで現段階ではつまらないかもしれません!
許して!(2868文字)




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僕は男の子に産まれたかった。
女は嫌い。
こだわりが強いから。すぐ陰口を言うから。すぐ泣くし。
すぐ裏切られたって判断する。物の貸し借りが多い。
みんなのプロフィールを集める意味が分からない。
スマホがあるんだから そんなの個人でやればいいのにね。
ノリが悪い奴はすぐ敵認定するし、すぐ仲間外れにする。
やり返したら全部敵のせいにするし。
ん?それは当たり前か。敵は敵なんだから。

そんな中、体が女だからという理由だけで女として扱われて育ってきた。
違和感を持っていることを伝えたら、怒られるんじゃないかって怖かったし。そんな子、気持ち悪くて育てる気も失せるだろ。

5歳まで、僕は体操教室に通っていた。
大きな失敗をすることはなかったし、コーチも幼馴染のお父さんだったから安心して通えてた。
体操教室で怪我をすることは無かった。

体操教室は好きでも嫌いでもなかった。
今思えば、当時仲の良かった幼馴染に誘われたから入っただけで、そこに自分の意思なんてなかった。


そんな、自分の考えが分からないまま、6歳になって。

体操教室を辞めることになった。
高校生まで指導している教室だったから続けても良かった…むしろ、続けた方が良かったのに辞めてしまった理由。

それは父親だった。




父は 金を沢山稼げることが幸せ だと思っている人だった。
確かに沢山稼げた方が暮らしは楽だし、稼げた方が何かと有利だ。それは事実。
だが子供である自分にその話をされても、理解できなかった。
ただ、「幸せ」という言葉が良い事であることは分かる。
親の言うことだし、大人は自分より正しい と思っていた純粋な子供は簡単に騙され、塾に通わされることになった。

先生も優しくて、みんな良い子だったし、悪い環境ではなかったから、ストレスにもならなかった。なんなら、先生は親よりも自分のことを分かってくれた。

今日は何をして遊んできたの?
と聞かれたから、正直に
仮面ライダーごっこ と 木登り
と恥ずかしさから俯き加減で答えても、
お〜!元気元気!良い事だ!
と褒めてくれた。内容がどれだけ女の子らしくなくても、それらを咎められることは無かった。

家とは違う安心感。

そんなものがあった気がした。


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小学生2年生の頃の話。
僕はスポーツの中でも、サッカーとバレーに興味があった。
父はサッカー観戦をするのが好きで、母はスポーツはあまり好きではない人だった。

いつも通り自主学習を終えて、父に「スポーツの習い事がしたい」と言ってみた。
拳が飛んでくるかもしれないと身構えながら待っていたが、返ってきたのは、呆れ顔と「それより勉強の方が役に立つ」の言葉だけだった。

やりたい事を言ったら、呆れられてしまうのだ。この家庭では。迷惑をかけたい訳ではなかったのに、そんな顔をさせてしまった事への罪悪感で、もう「習い事をしたい」と言い出すことは出来なくなってしまった。

体育の授業も、段々億劫になっていった。
これ以上スポーツに興味を持つことが怖くて、学校が嫌いになった。
それに加え、他の女子とは少し違う雰囲気と、必要最低限しか開かない口、母譲りの悪い目付きのせいで、揶揄われることが増えた。

それらがいじめに発展するまで、そう時間はかからなかった。

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初めのうちは、ぼっちだったら いじめだなんて気付かない程度の軽い無視や物を隠されたりするような、些細な嫌がらせだった。

それでも許せなかったのは、ランドセルに油性ペンで小さな落書きをされたこと。ハムスターには見えないがハムスターの絵と言われるもの。

僕の家では当時、ハムスターを2匹飼っていた。
ミルクとクルミ、双子のロボロフスキーの子だ。とても可愛らしく、毛並みがよく似ているが、比べると 色が少しだけ違う。クルミは観賞用にするのが最適な少し人間が苦手な子で、ミルクは怖がりだったから、2人とも観賞用のハムスターとして 大事に育てていた。

揶揄ってきていた男の子の1人が、「それ、お前ん家のハムスターだぞ!名前がロボットみたいなんだから、ロボットでも飼ってるんだろ!ww」と言ってきた。

必死に頼んで飼わせてもらった、可愛い可愛いペットたちだ。今も大事に育てている。それに、怖がりだけど手から餌だって食べてくれるし、可愛い目で見つめてきてくれる。

飼って世話もしていないお前らに、僕の子の何が分かる!!!!!
と、言いたくても言えなかった言葉が自分の心だけに無慈悲に転がって、静かな怒りとなって目に染みた。
それは2つの雫となってランドセルに落ち、僕を笑うための飾りとなって床に滑り落ちた。


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そんな嫌がらせも、クラスが変わってしまえば終わり。
またいつも通りの学校に戻った。

その程度だったのだ。
その程度で済ませてしまえる程の些細な嫌がらせだったのだ。
別に怒ってなどいない。怒ったところで今更だ。
先生も両親も困るだけだろう。

4年生に上がってからは、四人グループの一員として学校生活を楽しんでいる。つもりだ。
喋らなければそれまでだし、距離も開けようと思えば開けれるし、程良い距離感も取れるくらいの関係。

だったのは、最初の間だけで、リーダー格の奴が出来てからは、1人に対するいじめが始まってしまったのだ。
別に間に入っても入らなくてもどちらでも良かったのだが、泣かれて同時に呼び出しされるのはごめんだ。
だから いじめられてる奴と一緒にいた。庇ったつもりなどなかったのだが、周りには庇っているようにしか見えなかったらしい。まぁ当たり前だな。

庇ったように見えたから、標的が自分になったのだ。


毎日ほうきで叩かれた。雑巾を口に突っ込まれた。転ばされた。髪を引っ張られた。悪口を書いたメモを机に入れられているのは珍しくも何ともない。明らかに悪意を持っての日記交換も、連絡先交換も、全部やってやった。
繋がるだけ繋がってブロックで良いのだ。それで済むんだから。何か言われても耐えればいい。

そんな生活で。
そんな環境で。
こんな家庭環境で。
こんな学校生活で。
父親からの期待にも答え、塾も休まず通い、
母のために家事を手伝い、
姉の恋愛相談や愚痴を聞き、アドバイスしながら
弟の遊び相手もして、面倒見て、
暇さえあれば勉強して、
急いで風呂に入って寝る。
放置して伸びきった髪も本当は切りたかった。男になりたいと言い出せなかった。
ストレスから来るイライラも他人には見せないように取り繕った。
思春期特有の反抗も、情緒の不安定さも見せなかった。

それだけの努力をしたとて、他人に全てが見えている訳では無いから、全て無駄だったのだけれど。
必死で必死で、生きるのにも必死で、何もかも分からなくなる程いっぱいいっぱいだったのに、誰にも少しも伝わらない…

それらが絶望でないと言うならば、他の人は何を絶望というのだろう。いや、人それぞれなんだな、それも。

もう考えるの面倒くさいからやーめた。


小学校生活は、そんな感じで終わった。

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