僕の名前はチョン・ジョングク。
高校2年生で、現在17歳。
部活は柔道をしているんだけども、練習中に足の骨をやっちゃって…今、病院に入院をしている。
車椅子を使わないと歩けないほどではない。
松葉杖で今は生活しているけど、手術をする予定なので、ここにいるのだ。
病院のご飯、あんまり美味しくないから早く退院したい。
この人はキム・テヒョン。
高校3年生で、僕の1つ上のヒョン。
幼稚園からずっと同じ学校に通っている、いわゆる幼なじみだ。
この人はパク・ジミン。
テヒョンイヒョンと同い年で、この人とも幼なじみ。
ジミニヒョンは小さい時から僕をよく助けてくれた。というのも、何故か僕にだけ甘い。
世話焼きという性格もあるだろうけど、かなり僕はジミニヒョンに甘やかされている。
実際今、りんごの皮を剥いて、僕に食べさせてくれている。
自分で食べれるんだけどなぁ…。
パクっ
りんご美味しいからどうでもいいや!
この二人はいつもこんな感じ。
テヒョンイヒョンはジミニヒョンにかなりべったり。
同い年で、幼なじみっていうのもあるから、二人はお互い双子みたいな存在だと思う。でも、それは中学生までの話。
最近はジミニヒョンが大人になっている感じなんだけど…テヒョンイヒョンは相変わらずって感じ。
この二人、一応今年受験か、就活しなきゃいけないけど、大丈夫かなぁ。
喧嘩しなきゃいいけど。
ほら、進路の違いで〜とか、一緒に行きたい〜とか。主にテヒョンイヒョンが暴れそう。
とまぁ、二人が喧嘩していても僕はいつも止めない。
だって、いつの間にかケロッと仲直りしてるんだもん。さっきだって。
幼なじみって大変だなぁ。
プルルルル
そう言って、机に置いてあったスマホをスっと取ってくれた。
ピッ
電話相手は僕の兄さん。
チョン・ホソク。
大学1年生で、僕の二歳年上。
兄さんはダンスをやっていて、世界大会にも出場する凄腕だ。
いつも明るくて、優しく、みんなから愛される兄さんは、僕の自慢の兄さんだ。
僕は兄さんが大好きで、周りからかなりブラコンと言われる時があるけど…あながち間違ってないかもしれない。
そう言って僕のスマホを奪ったジミニヒョン。
ジミニヒョンと兄さんは幼なじみであり、友達であり、ダンスクラブ仲間でもある。
小さい時から兄さんとジミニヒョンはダンスが好きで、いつも一緒に踊っていた。
親にすすまれて、クラブに入って、もう今年で12年くらい。
ジミニヒョンもダンスが上手く、兄さんと同じ大学の推薦をもらうかも?と噂されているほどの実力者であり、努力家。
2人はよく気が合い、すごく仲が良いんだけど…僕は兄さんにべったりなジミニヒョンが気に入らない。
僕の兄さんなのに。
はぁ、テヒョンイヒョンもか。
ジミニヒョンが楽しそうに話しているのを横目で見ながら内心イライラしていると、ジミニヒョンの顔から、突然笑顔が消えた。
あっ、これは…
と言って、ジミニヒョンが僕のスマホをテヒョンイヒョンに渡す。
ああ、いつものか。
これだけで、察しがついてしまう。
そう言ってテヒョンイヒョンは嫌そうな顔をする。
テヒョンイヒョンは渋々変わった。
やっぱり。ジンヒョンだ。
あ、電話相手はテヒョンイヒョンの兄の
キム・ソクジン。
この人も僕らの幼なじみ。
大学2年生で、兄さんより一つ年上。
今は一人暮しをしている。
別にジンヒョンのことは嫌いじゃないんだけど親父ギャグが大好きで、僕ら年下によくちょっかいを出してくるから、かなりうざい。
すごく美形のイケメンでモテるはずなのに、内面と笑い方などいろいろあるせいで、
「残念美人のジンニム」なんて言われている。
なんだそりゃ。
そんなジンヒョンとテヒョンイヒョンは仲は悪くないんだけど…、テヒョンイヒョンが今絶賛反抗期中でちょっとゴタゴタしている。
と言ってもジンヒョンはいつも通りだから、テヒョンイヒョンだけが拗らせてて一方的に嫌がっている感じ。
でたぁ〜テヒョンイヒョンの素直になれない無言の圧力〜。
テヒョンイヒョンは料理が得意ではないけど、ジンヒョンは料理が上手だ。
よく作ってくれて、僕らも食べたことがある。
テヒョンイヒョンはなんやかんやジンヒョンの料理が大好きなんだけど、反抗期だからうんと言えないのだろう。
スマホ越しに声が聞こえる。
この声は、ミン・ユンギさんだ。
ジンヒョンと同い年で、親友のユンギさん。
兄さんとも友達である。
いつもクールでちょっと冷たい雰囲気があるけど、中身はとても暖かくて優しいユンギさん。
たまにしか会わないけど、ユンギさんは兄さんに甘々で僕も甘やかしてくれるから、もう一人の兄さんみたいな存在だ。
さっすが兄さん。
フォローをしっかり入れてくれる。
頼もしい。兄さん好き。
そう言って、ジンヒョンの声はスマホから聞こえなくなった。別れる際に、ユンギさんの溜め息が聞こえたのは気のせいではないだろう。
僕は構わず兄さんと電話を再開する。
ピッ
はぁ、やっぱり僕の兄さんが一番だ。
と思いながら、ほわほわした気持ちで余韻に浸っていた。
……
その後は三人で学校の話やくだらない話をして時間を潰した。
6時頃をすぎ、二人は帰って行った。
テヒョンイヒョン、ジンヒョンと喧嘩しないといいけど。
僕は兄さんが来るのを待つ。
でも暇だから、なんとなく松葉杖を出してトイレに行くことにした。
松葉杖を使うことなんてめったにないから、慣れない。
トイレに行くだけでも一苦労。
ヨロヨロで松葉杖をついていると、
グラ
足がもつれて、体がスローモーションのように前に倒れていく。
ゆかあたる、やばい。
そう思って、受け身をとろうとした時、
ガッ
と、後ろから腕を誰かに掴まれた。
振り返ろうとしたら、急に腕を引っ張られる。
え、何されるの?と焦っていた…けど、自分が立っていることに気づく。
相手に肩を持ってもらっていた。
なんで?と思っていたら、いつの間にか相手が僕が落としてしまっていた松葉杖を拾ってくれていて、僕に差し出してくれた。
僕は相手の肩から離れて、いそいそと松葉杖を掴んで自分で立つ。
相手は僕が立ったのを確認したらニコリと笑ったあと、お辞儀をして去っていく。
病院にいたってことは、常連さんかもしれないから、せめて名前だけ聞いておこうと思い声をかけたけど、相手は後ろを振り返らなかった。
……
僕は兄さんが持ってきてくれたバナナをほうばりながら、会話をする。
身長は僕と兄さんよりも高くて、体格は結構かっちりしていたから男だと思う。
髪は黒色で、眼鏡をしていて、前髪が少し目にかかっていた。スラットした体で、どこにでもいる普通の大学生のように見えた。
僕は少しだけ、なぜあの人は一言も喋らなかったんだろう、と不思議に思っていた。
(あとがき)
中心はナムさんですけど、語り手は6人なので、アイコンを右にしました。
ちょっと見にくいかもしれませんが、読んでくれたら、幸いです。
3作目〜


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!