前の話
一覧へ
次の話

第1話

病院
1,187
2022/01/04 06:52 更新
僕の名前はチョン・ジョングク。
高校2年生で、現在17歳。
部活は柔道をしているんだけども、練習中に足の骨をやっちゃって…今、病院に入院をしている。
車椅子を使わないと歩けないほどではない。
松葉杖で今は生活しているけど、手術をする予定なので、ここにいるのだ。
病院のご飯、あんまり美味しくないから早く退院したい。
テヒョン
テヒョン
ジョングガ〜お見舞いに来たよー。
この人はキム・テヒョン。
高校3年生で、僕の1つ上のヒョン。
幼稚園からずっと同じ学校に通っている、いわゆる幼なじみだ。
ジョングク
ジョングク
あ、テヒョンイヒョン。フルーツ買ってきてくれたんですか?
テヒョン
テヒョン
ヤー図々しい奴d…おい、ジミナ。
ジミン
ジミン
おん?
テヒョン
テヒョン
何やってんだよ。
ジミン
ジミン
えー?何って、ジョングガにりんご食べさせてるの。
この人はパク・ジミン。
テヒョンイヒョンと同い年で、この人とも幼なじみ。
ジミニヒョンは小さい時から僕をよく助けてくれた。というのも、何故か僕にだけ甘い。
世話焼きという性格もあるだろうけど、かなり僕はジミニヒョンに甘やかされている。
実際今、りんごの皮を剥いて、僕に食べさせてくれている。
自分で食べれるんだけどなぁ…。
ジミン
ジミン
はい、ジョングガ。あ〜ん。
ジョングク
ジョングク
あ〜ん。
パクっ
りんご美味しいからどうでもいいや!
テヒョン
テヒョン
いや、そうじゃなくて。
ここでなにしてんのってこと!
ジミン
ジミン
え〜?お見舞いだけど?
テヒョン
テヒョン
なんで、用事があるって言ってた奴が俺より先に病院に着いてるんだよ!
ジミン
ジミン
うん。だから用事があるからここに来てんじゃん。
テヒョン
テヒョン
…、…。
ジミン
ジミン
ん?どうしたの、テヒョン。
もしかして、一緒に行きたかった?
テヒョン
テヒョン
……別に。
ジミン
ジミン
ごめんね〜。
さっきテヒョンが先生に呼び出されてたから、急かしたら悪いなぁって思ったんだ。ちょっと意地悪してごめんね?
テヒョン
テヒョン
…まぁ、それなら別に、いいけど。
次は、一緒に行こ。
ジミン
ジミン
うん。
ジョングク
ジョングク
…(りんごまだかな〜。)
この二人はいつもこんな感じ。
テヒョンイヒョンはジミニヒョンにかなりべったり。
同い年で、幼なじみっていうのもあるから、二人はお互い双子みたいな存在だと思う。でも、それは中学生までの話。
最近はジミニヒョンが大人になっている感じなんだけど…テヒョンイヒョンは相変わらずって感じ。

この二人、一応今年受験か、就活しなきゃいけないけど、大丈夫かなぁ。
喧嘩しなきゃいいけど。
ほら、進路の違いで〜とか、一緒に行きたい〜とか。主にテヒョンイヒョンが暴れそう。

とまぁ、二人が喧嘩していても僕はいつも止めない。
だって、いつの間にかケロッと仲直りしてるんだもん。さっきだって。
幼なじみって大変だなぁ。
プルルルル
ジョングク
ジョングク
ん?
ジミン
ジミン
電話だね。はい、スマホ。
そう言って、机に置いてあったスマホをスっと取ってくれた。
ジョングク
ジョングク
ありがとうございます。
テヒョン
テヒョン
誰から?
ジョングク
ジョングク
あ、兄さんからです。
テヒョン
テヒョン
あーね。
ピッ
ジョングク
ジョングク
もしもし、兄さん?
ホソク
ホソク
もしもし、ジョングガ?
ごめんね、急にかけて。今、大丈夫?
ジョングク
ジョングク
うん、全然大丈夫。
どうしたの?
電話相手は僕の兄さん。
チョン・ホソク。
大学1年生で、僕の二歳年上。
兄さんはダンスをやっていて、世界大会にも出場する凄腕だ。
いつも明るくて、優しく、みんなから愛される兄さんは、僕の自慢の兄さんだ。
僕は兄さんが大好きで、周りからかなりブラコンと言われる時があるけど…あながち間違ってないかもしれない。
ホソク
ホソク
今日のお見舞いちょっと遅れそうなんだ。7時くらいでも大丈夫?
ジョングク
ジョングク
うん!来てくれるだけでも嬉s
ジミン
ジミン
えー!!ホビヒョン今、来れないんですか〜?!
そう言って僕のスマホを奪ったジミニヒョン。
ホソク
ホソク
ごめんな〜ジミナ。
明日はクラブ行くからさ。
ジミン
ジミン
えっほんとですか!
じゃあ全然いいですよ!
ジミニヒョンと兄さんは幼なじみであり、友達であり、ダンスクラブ仲間でもある。
小さい時から兄さんとジミニヒョンはダンスが好きで、いつも一緒に踊っていた。
親にすすまれて、クラブに入って、もう今年で12年くらい。
ジミニヒョンもダンスが上手く、兄さんと同じ大学の推薦をもらうかも?と噂されているほどの実力者であり、努力家。
2人はよく気が合い、すごく仲が良いんだけど…僕は兄さんにべったりなジミニヒョンが気に入らない。
僕の兄さんなのに。
ジョングク
ジョングク
…ムスッ
テヒョン
テヒョン
…ムスッ
はぁ、テヒョンイヒョンもか。
ジミニヒョンが楽しそうに話しているのを横目で見ながら内心イライラしていると、ジミニヒョンの顔から、突然笑顔が消えた。
あっ、これは…
ジミン
ジミン
…テヒョン、はい。
と言って、ジミニヒョンが僕のスマホをテヒョンイヒョンに渡す。
ああ、いつものか。
これだけで、察しがついてしまう。
テヒョン
テヒョン
ゲッ、まじ?
あいつがいんのかよ。
そう言ってテヒョンイヒョンは嫌そうな顔をする。
ジミン
ジミン
…早く。
テヒョン
テヒョン
…え〜…。
テヒョンイヒョンは渋々変わった。
テヒョン
テヒョン
…何。
ソクジン
ソクジン
ヤー!テヒョンー!
早く変われよー!!
やっぱり。ジンヒョンだ。
あ、電話相手はテヒョンイヒョンの兄の
キム・ソクジン。
この人も僕らの幼なじみ。
大学2年生で、兄さんより一つ年上。
今は一人暮しをしている。

別にジンヒョンのことは嫌いじゃないんだけど親父ギャグが大好きで、僕ら年下によくちょっかいを出してくるから、かなりうざい。
すごく美形のイケメンでモテるはずなのに、内面と笑い方などいろいろあるせいで、
「残念美人のジンニム」なんて言われている。
なんだそりゃ。

そんなジンヒョンとテヒョンイヒョンは仲は悪くないんだけど…、テヒョンイヒョンが今絶賛反抗期中でちょっとゴタゴタしている。
と言ってもジンヒョンはいつも通りだから、テヒョンイヒョンだけが拗らせてて一方的に嫌がっている感じ。
テヒョン
テヒョン
…で?要件は。
ソクジン
ソクジン
母さん遅くなるって言ってたから、晩御飯作りに行ってあげようかな?って思って。
テヒョン
テヒョン
……。
でたぁ〜テヒョンイヒョンの素直になれない無言の圧力〜。
テヒョンイヒョンは料理が得意ではないけど、ジンヒョンは料理が上手だ。
よく作ってくれて、僕らも食べたことがある。
テヒョンイヒョンはなんやかんやジンヒョンの料理が大好きなんだけど、反抗期だからうんと言えないのだろう。
ソクジン
ソクジン
もしかして、友達と食べに行く予定とかあった?
テヒョン
テヒョン
……ない。
ソクジン
ソクジン
そう?じゃあ、行こうか?
テヒョン
テヒョン
……。
ジミン
ジミン
テヒョン〜。素直にうん、って言えよ〜。((ボソ
テヒョン
テヒョン
…、…。
ソクジン
ソクジン
あれ、テヒョン〜?おかしいな。
あ、ユンギヤ。
ユンギ
ユンギ
…なに。
スマホ越しに声が聞こえる。
この声は、ミン・ユンギさんだ。
ジンヒョンと同い年で、親友のユンギさん。
兄さんとも友達である。
いつもクールでちょっと冷たい雰囲気があるけど、中身はとても暖かくて優しいユンギさん。
たまにしか会わないけど、ユンギさんは兄さんに甘々で僕も甘やかしてくれるから、もう一人の兄さんみたいな存在だ。
ソクジン
ソクジン
テヒョンが返事くれないんだけどさ。
僕って嫌われてる?
ユンギ
ユンギ
…空気読んであげろよ。
ソクジン
ソクジン
え〜。分かんないよ。
テヒョンー?どっちー?
テヒョン
テヒョン
…、
ホソク
ホソク
まぁまぁ、ジンヒョン。
テヒョンは軽く反抗期だから素直になれないんですよ。
さっすが兄さん。
フォローをしっかり入れてくれる。
頼もしい。兄さん好き。
ソクジン
ソクジン
…そうか、無言ってことはYESってことね!じゃ、テヒョンまたあとでね。
そう言って、ジンヒョンの声はスマホから聞こえなくなった。別れる際に、ユンギさんの溜め息が聞こえたのは気のせいではないだろう。
テヒョン
テヒョン
…はい、スマホ。
ジョングク
ジョングク
ありがとうございまーす。
テヒョン
テヒョン
…なんだよ、その顔。
ジョングク
ジョングク
いや?別に。なんでもないですよ。
僕は構わず兄さんと電話を再開する。
ホソク
ホソク
ごめんね、ジョングガ。
ちょっと講義が長引きそうなんだ。
ジョングク
ジョングク
うん、分かった。
待ってるね。
ホソク
ホソク
ありがとう。お見舞いにジョングガの好きなもの何か買って行くね。
ジョングク
ジョングク
え、別にいいのに。
ホソク
ホソク
だーめ。入院頑張ってるジョングガのためなんだから。
ジョングク
ジョングク
〜っ、兄さん大好きぃ!
ホソク
ホソク
ふふ。
じゃあまた後でね。
ジョングク
ジョングク
うん!講義頑張ってね。
ホソク
ホソク
ありがと。じゃあね。
ジョングク
ジョングク
うん、バイバイ。
ピッ
はぁ、やっぱり僕の兄さんが一番だ。
と思いながら、ほわほわした気持ちで余韻に浸っていた。
テヒョン
テヒョン
…。
ジミン
ジミン
テヒョンもあれぐらい素直になれよ。
テヒョン
テヒョン
なっ、あれは度が過ぎてるだろ!
ジミン
ジミン
まぁ、ホビヒョンだからしょうがない。同じ兄弟なのに真反対すぎて逆に面白いね笑
……



その後は三人で学校の話やくだらない話をして時間を潰した。
6時頃をすぎ、二人は帰って行った。
テヒョンイヒョン、ジンヒョンと喧嘩しないといいけど。
僕は兄さんが来るのを待つ。
でも暇だから、なんとなく松葉杖を出してトイレに行くことにした。
松葉杖を使うことなんてめったにないから、慣れない。
トイレに行くだけでも一苦労。
ヨロヨロで松葉杖をついていると、


グラ
ジョングク
ジョングク
…あ、
足がもつれて、体がスローモーションのように前に倒れていく。
ゆかあたる、やばい。
そう思って、受け身をとろうとした時、
ガッ
と、後ろから腕を誰かに掴まれた。
振り返ろうとしたら、急に腕を引っ張られる。
ジョングク
ジョングク
えっ、ちょ、
え、何されるの?と焦っていた…けど、自分が立っていることに気づく。
相手に肩を持ってもらっていた。
ジョングク
ジョングク
あれ?
なんで?と思っていたら、いつの間にか相手が僕が落としてしまっていた松葉杖を拾ってくれていて、僕に差し出してくれた。
ジョングク
ジョングク
あ、ありがとうございます。
僕は相手の肩から離れて、いそいそと松葉杖を掴んで自分で立つ。
相手は僕が立ったのを確認したらニコリと笑ったあと、お辞儀をして去っていく。
ジョングク
ジョングク
え、あ、あの!
病院にいたってことは、常連さんかもしれないから、せめて名前だけ聞いておこうと思い声をかけたけど、相手は後ろを振り返らなかった。
……
ホソク
ホソク
へぇ〜、そんなことがあったんだ。
ジョングク
ジョングク
うん。そうなんだ。
ホソク
ホソク
怪我はなかった?
ジョングク
ジョングク
うん。なかったよ。
あの人が支えてくれたから。
ホソク
ホソク
それはよかった。その人は、すごくスマートな人だったんだね。
僕は兄さんが持ってきてくれたバナナをほうばりながら、会話をする。
ジョングク
ジョングク
…うん。
身長は僕と兄さんよりも高くて、体格は結構かっちりしていたから男だと思う。
髪は黒色で、眼鏡をしていて、前髪が少し目にかかっていた。スラットした体で、どこにでもいる普通の大学生のように見えた。
ジョングク
ジョングク
…でも、あの人…、
ホソク
ホソク
ん?どうしたの?
ジョングク
ジョングク
…ううん。なんでもない。



僕は少しだけ、なぜあの人は一言も喋らなかったんだろう、と不思議に思っていた。








(あとがき)
中心はナムさんですけど、語り手は6人なので、アイコンを右にしました。

ちょっと見にくいかもしれませんが、読んでくれたら、幸いです。

3作目〜

プリ小説オーディオドラマ