ここの放送室の形はかなり変わっている。
それだけは断言出来るだろう。
何を隠そう、この戦慄アルカナ学園の放送室は、何故か1部ガラス張りなのだ。イメージとしては、ラジオや歌唱などで使うようなガラス張りになっているあの部屋のようなものだろう。
まぁ、実際に学園内でテレビ放送をしているからこその室内構成だとも言える。
ちなみに1つ言っておけば、現在の放送部の部員はアスラ双子の2人のみで、新人募集はしていないところだ。放送部と言うより、番組登場者と言えるだろう。
そして、今この放送室に居座っているのが弟側だ。
今での段階で、学園の先生達は「危ない存在」ではあると言われている。
まぁ、そうだよな。
さっき聞いたところ優美先輩は20歳らしいし、最年少でもカイ先輩は10歳なんて、この学園、小中高大まで一貫の学園って事だよな。なっかなか無いぞそんな学園。同い年が一番話しやすいってのも考えれば、話しかけるのも勇気がいる。
放送室まであとわずかと思ったところで、アルカは突然口を噤んだ。
改めてアルカは顔を上げた。
そりゃぁ、アルカだって人間だ。人との関係上苦手な人だっているだろうよ。
弟側……、今や放送室からガラス越しに見える、Al学年の1人…。って、あれ?
ん〜……、確かに暗いってイメージはあるかも…。
ルイとアキラの様な双子と同じで、アケリット先輩は凄い明るい感じで、スピリット先輩はその反対みたいな…。
いつの間にか、スピリット先輩はこちらの視線に気づいていた。いや、オレ達の話し声が聞こえてたのかな?ファンサービスなのか、スピリット先輩はこっちに来てくれた。
スピリット先輩の声は結構聞こえづらいけど、そう言った途端、目の前のガラス張りの1部を開けてくれた。
………え?この窓って開けれるんだ…………!?
…ってか、スピリット先輩って関西弁で話すんだ…。
でも、割と普通に接せる人だし、アルカが苦手って理由が中々曖昧…。
雰囲気……空気……重い……?
…あ、でも、眼に光が足りない………気がする……。
その会話の後、ツキミといつものハイタッチ。
ツキミが所属してる「英語共有会」は、確か6時くらいに終わるんだったっけな。通学カバンをもってる限りそうだな。まぁここ本館だし、通りすがるのも無理ないけど。
誰かと思いきや、スピリット先輩にミルクティーのペットボトルを差し出したのはアケリット先輩だ。
あぁ……たまにいるよな。すっごい過保護なお兄ちゃんお姉ちゃん。アケリット先輩の場合で考えたらルイより激しい過保護だな。よっぽどの訳があるのかな……?
それに対してスピリット先輩は……言い方悪いけど冷たいな。オレは実家に生まれたての妹がいるけど、アケリット先輩みたいになる程にはならない……よな?うん。ならないならない。
……あぁ、この本館の2階にある体育館から降りてきたんだな。ソラ本人が言った通り、部活終わりで、肩からソラが奏でるトロンボーンの入ったケースを掛けている。
放送室の中にある時計を見てみれば、
現在午後7:19
ソラの言う通り、そろそろ夕食時だ。
……あれ?部活大騒動って7:30までだっけな。てっきり7:00までかと。
うぉ、ツキミが日本語で応答してる。
先輩が相手だからそうだろうけど、返事だけでも日本語になるとやっぱ新鮮だな。
そう、頭の片隅で思い込みながら、オレ達4人は放送室前を後にした。
現在午後7:30。
新入生達からすれば一番最初の校内イベント、部活大騒動もここにて終了。夕飯を食べに食堂へと集まった生徒達は、このイベントに関しての感想で賑わっていた。
オレ達津駆組も、6人揃って食しながら会話中
アキラはカツ定食食べながら羨ましそうに。
ルイはカルボナーラをフォークに巻きながら。
ツキミは刺身定食食べながら祝杯を。
ソラはフランスパン食べながらナイスの一言。
アルカはカツ丼食べながら賞賛の声をあげた。
けど、正直なところこんなところでを終わってられない。オレは4人家族だけど、お父さんはイギリスに出張してからあれっきり帰ってこないし、お母さんは今妹の育児でオレに手を貸せないだろうし、オレバカだから勉強出来るってわけでも無いから、運動とか戦いでお父さんとお母さんに誠意を見せないと。
その為にも、先輩の背中をがむしゃらにでもついてかないと。
まだ顔すら見てない妹にも、今このなかま達の強さってやつを見せてやりたいな。
ソラはフランスパンを齧りながら、自分のアルカナのカードを胸ポケットから取り出した。ソラのカードは、小アルカナの「スぺクタルの騎士」。
オレはアキラからそう聞かれて、ズボンのポッケからオレが使っているアルカナのカードを取り出してみせた。
でも、まさか皆がこんな顔をするなんて
これが、次の討伐戦の引鉄になる予感がする……。
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Preface ❦ℯꫛᎴ❧
❯❯❯❯【next story chapter】 本質の鏡




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。