あなたside
-朝-
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-学校-
すちside
隣の席の人が話しかけてきた。
…話が続かない。
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キーンコーンカーンコーン(引き続き すちsideです)
1番の人は、変に目立たないように無難なことを言うものだと思っていた。
今まで会った人達もみんなそうだった。
だけど、
この人は違った。
こういうタイプの人は話を合わせたらなんとなくは仲良くできる。
けど、もうそんなことはしたくなかった。
そんなこんなあって、自己紹介がおわった。
この後は休み時間だ。
ばっかみたい、どうせ形だけの「友達」なのに。
後々傷つくのは自分なのに。
そう思いながら廊下に出た。
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あなたside
辛い。
人に合わせるってこんなに辛かったんだ。
ガラッ
バタン
廊下に出ても人はたくさんいる。
人がいない、静かな場所を探そうとした時だった。
「生きる価値なんてわかんないし、生きてても意味無い、から。」
タッタッタッ
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!