私は飛び降り自殺をして死んだと思って目を開けた
怒りながらも私を抱きかかえゆっくり降下する中也さん
私は中也さんに素直に私の置かれている状況を話そうとした
其れを云えば中也さんも壊される恐れ、云えば阻止しようと動いてくれる中也さん、けど実際今でさえ私の兄を壊されそうで仕方がない状況
喩え中也さんであったとしてもこの事実だけは云えなかった
そう中也さんはニカッと笑顔で云った
中也さんには………………矢張り云えない
そうポートマフィアの屋上からポートマフィアの入り口前で地に着いた
中也さんとは会話を楽しみながらも、現状は喜ばしくない
中也さんといると嫌な事さえ忘れて話せる
だからこそ今でさえ黒服の真ん中を歩いて抱きかかえられている状況すら嫌になる
そう自分ですら聞こえない小さな声で云ったのであった
中也さんにすら森さんは隠しているとなれば余計情報漏洩は得策では無いと頭の中で考えたのであった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。