あべぞうは疲れているのか
ご飯を食べたらすぐに寝てしまった
お団子屋に入ると
次郎吉さんと以蔵がなにやら楽しそうに話していて
そんな様子をお丸ちゃんが遠くから見ていた
「お丸ちゃん」
お丸「ん?」
「私のお母さんはお丸ちゃんでお父さんは次郎吉さんだよね?」
そう言うとお丸ちゃんの顔が赤くなる
お丸「何言って・・・!!」
次郎吉「あぶね」
お丸ちゃんが躓いたのを次郎吉さんが抱きとめると
お丸ちゃんの顔はさらに赤くなる
お丸「触らないでっ」
次郎吉「お、悪かったな」
お丸「ぎゃっ!」
いつもの意地悪で
その体制のまま次郎吉さんが避けると
お丸ちゃんはビタッと地面に転んだ
そんな様子を見て以蔵がフッと笑った
こんな表情も出来るんだなんて思った
「お丸ちゃん大丈夫?」
お丸「もう、鼠さんの意地悪!」
お丸ちゃんを立たせてあげて
4人が近くに集まった
「これからもずっと一緒にいようね」
私の声にお丸ちゃんと次郎吉さんは頷いた
「以蔵は小春ちゃんのためにも普通の男の子になっていいんだよ」
そう言うと以蔵は困ったように笑った
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!