寂しい人生だった。
有名財閥の五兄妹の末娘。
本妻の子じゃなくて愛人の子だったけど、それはそれは大事にされた。
…そのせいか、兄姉達には物凄い嫌われ具合だったけど。
お母さんは産後だったからか身体が弱くて流行り病で亡くなってしまった。
後ろ盾はお父さんしかいなかった。
上の四人の兄と姉は全員が本妻の子で、頼ろうにもまず愛されていなかった。
本妻は言うまでもなく。
「お義母さん」なんて呼んでいい仲じゃなかったことは確かだ。
寂しさ故に、構ってもらおうと我儘ばかり。
それでも振り向いてくれることなんて少なくて、いつしかいい子じゃなくなっていた。
誰かに見て欲しかった。
お父さんも、私が成長するにつれて冷たくなってしまったから。
白い花で丁寧に編まれたその冠はあまりにも綺麗で。
なぜか、私よりも愛されている気がして。
無性に、腹が立った。
ブチブチと音を立てて、花冠は私の手で引き裂かれた。
同年代の執事だった彼は、酷く傷ついた顔で、目を見開いていた。
幼少期の後悔の、一つ。
一番初めの、私の後悔。
それは7歳の時。
確か春の、穏やかな天気の時。
彼に、庭に出ないかと言われたときだった。
彼は優しくて、でも何処か寂しそうな笑顔を見せる人だった。
―やり直せたらよかった。
何度も何度も思った。
だからだろうか……
今世をもう一度、繰り返すことになったのは。
まだ短く黒い髪にライトブラウンの瞳。
天然パーマだった私の髪はくるくると短くても綺麗に巻いている。
確か、十歳の頃に少しでも変化に気づいてくれないことに絶望して、もういいやって髪を染めたんだっけ。
赤と紫の、パステルカラー。
自分でもあれは派手だったなあ、と記憶している。
十歳の誕生日に染めたんだから、まだ九歳以下ってことかな。
それでいて、肩にまでつかないくらいの短めの長さだったときは…
六歳だ。
夏の別荘に行く時、長い髪は邪魔だからと決定権も無しに切られたんだ。
お姫様に憧れていた私は、酷い落ち込みようだったと思う。
その時に励ましてくれたのも、叶だったなぁ……。
その時に見せてくれた笑顔が、太陽の日差しのように柔らかで、優しかったのをよく覚えている。
…じゃあもう、慰めてもらった後かな。
あれは夏のことだったから。
窓の外に映るのは綺麗に赤や黄色に染った木々。
今は秋か。
秋……、秋!?
秋には毎年恒例のお茶会があったんだ。
末娘の私は五歳まで留守番だったけど……
今日って何日!?
ここまで読んでいただきありがとうございます。
作者の白蝉酉です。
突然ですがここでアンケート。
婚約者を決めさせていただきます。
まずはユニットから決めていただきます。
期限は次の話が出るまで。(〜1月20日くらい?)
書けるものしかないので少ないです…、コメントで教えていただければ追加します。
投票お願いします。
アンケート
貴方の婚約者は誰?
❥ ROF-MAO
60%
❥ VOLTACTION
0%
❥ MECHATU-A
40%
投票数: 5票












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。