第13話

取りこぼし
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2025/05/12 12:05 更新
ぬし
ぬし
特にcp無し







Chk
わたすね、好きな人がいるんだ、

卵焼きをつまもうとした箸が宙を切る。
Lt
…初耳だね、

目の前の乙女は缶コーヒーを掴み、くるくると底を回す。と同時に、ちゃぽん、ちゃぽ、と音が漏れる。

他の乙女ちゃんだったらキャーキャー騒ぐような内容のカミングアウトをしたにも関わらず、当の本人は澄ました顔で窓から空を見やる。

Lt
それで、どんな人なの?

恋バナのお決まり文句を一つ、落とす。

Chk
んーとね、

彼女は缶コーヒーを持ったまま両肘を机に付き、缶コーヒーを持っていない手で頬杖をつく。
Chk
優しくて、かっこよくて、
Chk
スポーツもできるし、勉強だってできる。笑顔だってかっこいい。


Lt
ふぅん、可愛いこと言うんだね、
Chk
ふふ、
Chk
でもね、










Chk
結局は、カノジョ恋敵の前が、一番カッコよさが際立ってる。
Chk
わたすになんか、到底。
Lt
Chk
…叶わない、恋なんだ、

外に向けられていた視線がストンと床に取りこぼされる。
Chk
諦めないと、いけないんだ。
Chk
苦しいからね。

いつのまにか缶コーヒーは察したかのように音を立てるのを辞めていた。

窓から流れ込んできた風が彼女の美しい色を持つ髪を靡かせる。







Chk
…あーあ、

どう声をかければ良いか悩んでいると、
沈黙を破るような、大袈裟に彼女が口を開く。
Chk
わたすが、男性だったら良かったのに、

カタン、と、缶コーヒーが机を叩く。
Chk
そして、お友達として…


Chk
……お友達として、
出会えたら良かったのに、





Chk
なーんて、馬鹿みたいだよね、

か弱く、そのまま溶けていきそうな声。

俯いているせいで、前髪が邪魔をして、
彼女が今どんな顔をしているのか見えない。

…きっと、貴女のことだから、
強がって微笑み浮かべてるんでしょ、?





靡く風が、夏の香りを運んで来た。









超短編で失礼しました、
Chkさんが片想いしている彼がUpさんだったら皮肉効いてていいなと書き終えて思ってしまった私は悪い奴です、

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