「カフェラテトールサイズ、チョコソース増量で、」
幼馴染がお決まりテンプレートのようにつらつらと注文を口にする。
店員に何かを問われ、少し悩んだ後「ホットでお願いします。」と付け足していた。
そしてこちらにまるで「注文しろ」と言うかのように目配せして来た。
「えとー…。ダークモカチップフラ◯チーノにキャラメルソースとチョコチップ追加してください。ホイップ少なめで…トールで。」
隣のショーケースを差され、スイーツも勧められたが丁重に断った。
幼馴染──羅衣は俺の分含め二人分の注文を済ませると、レシートをこちらに預けた。
そしてその足で席取りのため自分のカバンをテーブルにどかりと置いた。
俺はレシート片手にドリンクを受け取り、
先に席に着いていた羅衣の向かいの席に腰掛ける。
「で、話は?」
カフェラテ…もはやカフェモカとなったものを手渡す。
それを無言で受け取り、一つ、口に運ぶ。
唇を湿らせ、俺に対して硬く閉じられていた口を開く。
「…愛兎ちゃんのことなんだけど、」
「まぁ、なんとなくそんな気はしてた。」
「ふふ、」
目の前の人は軽く愛想笑いを落とし、表情も取り落とす。
「いやぁ、仲良いはずだったんだけどなぁ、」
「私、勉強できないから。愛兎ちゃんとは違って。」
乾いた笑いさえも自分の影に落とす。
「他の子と仲良くしてても、やっぱり愛兎ちゃんのことが気になって、。」
「無視、しちゃったときの愛兎ちゃん、この世の終わりみたいな顔してて。」
「…愛兎さん自身も反省はしてるんじゃない?」
「多分そう。きっと。」
羅衣はマグを自分の方に手繰り寄せ、木のマドラーでからからと飲み物を混ぜる。
そして大きく一口飲み込み、酔っ払いのおじさんのようにカップをゴンと音がなるほど強く、テーブルに叩き置いた。近くに他のお客さんがいなかったことが幸いだ。
「お互い、拗らせてるな、これ。」
「知ってる。」
こちらをちらりと見た羅衣は紅い瞳のみならず白色のところすらも紅くなりかけていた。
「ねぇ、海、」
しばらくの沈黙の後、名を呼ばれる。
「なんだ?」
「私、謝れると思う?」
「いや?全く、」
「ひど、」
「すいませんねぇ、」
「……。」
「声だけでもかけてみたら?本心では怒ってないと思うよ。」
「愛兎ちゃんから私を、嫌ったんだよ?」
「それでも、頑張って声かけたであろう愛兎さんを無視したのはお前が悪い。」
「…だよね、悪いことをした。」
「分かってんならちゃちゃっとこの件終わりにしろよ。」
「この瞬間も愛兎さん、悩んでると思うぞ。」
こくん、と羅衣が頷いたと同時に周りのカトラリーの触れ合う音がボリュームを急に上げたように大きくなったように感じた。
「ありがと。」
「どういたしまして。」
話がひと段落したのを感じ、俺もストローに口を近づけた。
羅衣は付箋だらけの数学のテキストを取り出し、ノートと筆記用具を乱雑に広げる。
ほろ苦く、甘いその飲み物にお互い身を溶かしていった。
こんにちは。
↑こちらの世界観を使って書いてみました!
初めて本文小説というものを書いてみましたが意外と行けることに気づいてしまいました、()
分かりにくかったら申し訳ないです…。アドバイス大募集中です、
それでは、良い夢を、












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。