理科室に冷たい声が響く。
静かな理科室だからかより一層冷たく鋭く聞こえる。
理科室の中に入りながら先輩は私の顔を伺う。
リトと前は一緒に痛みを分けてくれたから
8人に迷惑をかけないように一緒にいる方法を
私は選んだ。
リトのことはここでは口に出してはいけない。
私は口を噤んだ。
確かにそうかもしれない。
皆が私に気を使っているかもしれない。
今日の朝みたいに期待してたなんて馬鹿みたいだ。
ドアの方から声が聞こえた。
リトも以前この話を聞いていて、
ウェンくんもここで聞いたら、
8人全員に迷惑がかかってしまう。
そう言いながらウェンくんは私の後ろについた。
だって私の思い込みに過ぎないかもだし…。
先輩は戸惑った様子。
まずい…。
ウェンくんが踏み込めば踏み込むほど
8人へと影響が及ぶ確率が高くなる。
先輩は察してくれたのか
私は即座に教室から出た。
ウェンくんを置いて。
ウェンくんの顔は見れなかった。見たくなかった。
どんな表情をしているか怖くてたまらなかったから。
廊下にはオレンジ色の光が入ってきている。
私の足音が廊下に速く響く。
一つの影がゆらゆらと動いていた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。