荷物整理も大方終わり、
あなたの下の名前(カタカナ)がベッドに腰掛けた頃だ。
そう、扉が破壊されたときのような。
寮の扉破壊するなんてマッシュ以外やらない。
他にやる人がいたら絶対に関わりたくないとあなたの下の名前(カタカナ)は思った。
とりあえず様子見のため廊下に首を出す。
案の定、扉の残骸を持って立ち尽くすマッシュの姿があった。
そう言いながらあなたの下の名前(カタカナ)は部屋から出て、
一抹の不安を感じながらあなたの下の名前(カタカナ)は扉( の残骸 )に手を翳す。
瞬く間に扉は元の姿へ戻った。
新品同様の輝きである。
やっぱり不安だ …… 不安すぎる …… 、とあなたの下の名前(カタカナ)は軽く目を閉じ、
数秒経ってからマッシュの部屋の扉を開ける。
黒と黄色という珍しい髪色だが、
非常に気弱そうな男子生徒が部屋の中にいた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!