りゅうきがぷりっつになって程なくした頃、社長と話をする機会ができた。
そう言って社長はなにやら色々書かれている書類を机に勢いよく置いた。
なんだか、どんどんメイドを迎えるという話に連れていかれている気がする。
結局2時間ほど話したが、メイドを受け入れる形となってしまった。
社長室から離れ廊下を歩きながら考え事をする。
考えるだけで臓物が口から出そうになる。
どこかで見たことあるような、ないような…
灰色の髪はかなり手入れされてるのかサラっとなびいている。仕事上、髪を下ろすとやりにくいのか一つに束ねているが、下ろしてもきっと似合うんだろう。
思わず呟いてしまった言葉が恥ずかしすぎて、自分で言って口を塞ぐという珍行動をしてしまった。
だが、少女は変わらず床を磨いている。その目には光も宿っておらず、心ここに在らずと見えた。
結局、数分そこでうろちょろしながら考えていたが答えは出せず…そのまま自宅へと帰った。
次の日の仕事内容は遊園地でのターゲットの暗殺だった。
少し歩いたところで、アイスの自販機が見えた。
なにか、なにかあったような気がする。
なんだか嫌な予感がして、ふと振り返ると木で出来た古びたベンチが目に入った。
地元の遊園地でもなかったからすっかり忘れていた。
だが、思い出したいのはそれじゃなくてもうひとつの方だった。
メリーゴーランドの前で思わず叫ぶと、周りの人から痛い視線を向けられる。
結局、あの指輪は見つかったんやろうか。不思議に思い、仕事を終えた後に忘れ物センターに問い合せた。
帽子を深く被ったまま、話を聞くと…まだあるというのだ。
10年以上前の忘れ物が、まだセンターにあることにも驚きだが…あれだけ探していた指輪をなぜ取りに来なかったんだろうか?
顔を上げて、目を見て話す。
深く、深く頭を下げると、受付係のおばさんはにこやかに笑って「構わないよ」といった。
まさか本当に譲ってもらえると思っておらず、目をまん丸にして尋ねると彼女はこう答えた。
「10年以上前の話だけど…これを届けてくれた子がね、あなたにそっくりだから」と。
「それに、来月でこの遊園地閉園なのよ…だからあなたの言葉を信じるわ!」
思えば、幼い自分に対応をしてくれた人に笑顔がよく似ていた。
また深い礼をしてその場を立ち去った。
〜2ヶ月後〜
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あの日、少女の笑った顔を見ることは出来なかったが…目の形が赤髪の…ガイアという女性にそっくりだった。
その後の俺の行動は早かったと思う。
すぐにその指輪について調査をして…中に何かが入っていることがわかった。
中に入っていたのは流し込む形の薬で、解析をしたところ身体能力を向上させる薬品と、子供に打ったら2分もせずに死ぬような猛毒であることがわかった。
研究室に提出してから数日後、ある情報が入った。指輪が作られた場所からメイドについて何か分かるかもしれない、との事だった。
俺はその書類を見て、ますますあの少女について理解が出来なくなった。分からないことが多すぎる中、出生だけは掴むことが出来た。
マタニティリング…妊娠がわかった直後や、結婚を約束をした人が現れた場合につける指輪のことだ。どうして、あの時2歳ぐらいだったはずの彼女がこれを持っていたのか?
そこで指輪に刻まれていた文字について研究をしてくれたようだ。日本語でも英語でもない…どこの国の言語か分からない、と言うよりかは′′混ざっている′′と言っていた。
結局、彼女の出生は…
世界中のどの国の公用語にも当てはまらず、全部の言語を確かめるのは途方のくれる作業だ。調査はそこで断念することにした。だが、指輪にはヨーロッパで作られたものであることとある人の名前が刻まれていた。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!