村人たちが歌い踊り、クロパンが祭りを盛り上げる
そして、そこにうっしー演じるカジモドも登場するのだ
………やっぱうっしー歌うめぇな
エスメラルダが登場し、カジモドに声をかける
カジモドはフロロー以外の人間に会うことがないので上手く答えられなかったが、そのまま祭りの踊りの中へ巻き込まれていく
今初めて衣装姿を見たが、外国風の雰囲気がとても似合っている
綺麗だな、なんて一瞬思ってしまった
………そろそろ俺も出るのか
緊張する
クロパン語りと共に舞台に上がる
正直ちょっと恥ずかしい
そんなやり取りをし、曲が変わる
フィーバスが戦場に疲れたので今は休んで祭りを楽しもう、という気持ちを歌う曲だ
さすがにソロなので練習した
みんなの前なので心臓が爆発するかと思った
その後、立場上祭りを見に来るものの祭りを毛嫌いするフロローも登場し、エスメラルダの姿はいつの間にか消えている
クロパンが紹介して音楽が流れる
それと同時に大道具の布で隠れた部分からエスメラルダが登場した
………そういえば、数日前の練習の時も「家の事情」
とか言って欠席してたから、この場面のダンスと歌を見るのは初めてだ
………すごい
細かい装飾はまだなのに、キラキラして見える
本当はここで村人が歓声をあげる予定だったのだが、みんなも見入ってしまってそれを忘れている
少しだけ音楽だけの時間があり、その間にエスメラルダは舞台全体を動きながら人々を誘惑するように踊る
その中でカジモドやフィーバス、そしてフロローが魅了されるのだ
あと、今回は演出として客席の観覧客の前でひとり誘惑するらしい
目の前で踊る彼女と一瞬目が合った
やばい、歌い始めないと!
魅了された男たちが歌っている間、他の時間は遅くなっているような演出があるのだが……
本来はクロパンが身を乗り出す時の手すりとして使う金属のポールに掴まり、ポールダンスのようにしてゆっくりと回転している
………ほんっと、体幹とかどうなってんだよ
しかし、男3人のパートが終わると突然皆時間が戻って動き出す
そしてエスメラルダは曲のフィナーレとしてより声を上げて情熱的に踊る
民衆は歓声をあげ、ポーズをとってダンスは終わる
あ……終わったのか
そう思う暇もなく、練習は続く
街でいちばん醜い人が選ばれる「道化の王様」にカジモドが選ばれたのだが、人間離れした容姿の彼は攻撃の的へと変わっていく
フロローは勝手に外へ出た罰としてカジモドを助けず、ただ眺めるだけだった
しかし、民衆の前にエスメラルダが立ちはだかり、カジモドを庇う
それを見たフロローはジプシーであるエスメラルダを捕えるように命令し、兵隊たちとの攻防が発生する
そしてエスメラルダは最終的に教会へ逃げ込んだ
聖域である教会では、人を捕えることが出来ないからだ
しかし、結果として兵隊が教会の外で見張りをすることになりエスメラルダは教会に閉じ込められたも同然となった
さっきまでフロローを演じていた毛野くんが声をあげる
役に入り込んでいる時とは全くキャラが違う
さすが演劇部って感じだ
毛野くんの号令で、体育館の空気は一気に緩んだ
しかし、俺はまだ舞台裏に立ち尽くしていた
さっきから俺が黙っているので、レトさんが俺の顔の前で手をヒラヒラさせる
踊っている彼女と目が合った時の光景が蘇る
あの時、心臓が跳ね上がって身体が熱くなったような感覚だった
俺は頷いた
顔が熱くなってるのがわかる
いつの間に背後に忍び寄ってきてたんだよ
………やばい、顔見れない
自慢げに笑う顔がかわいく見える
つい最近までなら「調子乗んなよ笑」とか言ってたのに
家に行くのか?
しかもこんな自覚したタイミングで?
心臓もたねぇ、無理無理無理
みんな頷く
俺はどうするか迷ったが、春宮さんからの
「チャンスでしょうが!」
という圧がすごかったので頷いた
……………マジかよ
家、行くことになっちまった











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。