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第14話

最終回 水ノ兄弟弟子
1,208
2025/12/26 07:00 更新
<不死川side>
気付けば俺は、竈門の過去に返る前にいた、冨岡の千年竹林の道場にいた。

竈門の過去を見終わって、帰ってきたようだ。

冨岡ももちろん俺から少し離れたところに立っており、ぼけっとどこかを見つめていた。

その手は、しきりに左側の羽織の併せを、、、錆兎の形見の方をさすっていた。

するりと撫で下ろし、また上側に触れてするりと撫で下ろし、、、というのを繰り返している。

無意識なのだろうか。

ここ最近でついたクセとは思えないほど、自然にそんなことをしていた。
とみおk((
竈門炭治郎
義勇さん!!
俺が話しかけようとすると、道場の入口からひょっこりと竈門が顔を出した。

そして俺を見て、不死川さんもいたんですね、とこちらに笑顔を向けてくる。

竈門の存在に冨岡ももちろん気がついたようで、冨岡は木刀を置いて竈門に近づいた。
冨岡義勇
どうした?
竈門炭治郎
大したことではないんですが。
、、、見てください!
竈門はそう言って、持っていた風呂敷を広げ、中から大きくて立派な大根と鮭を出した。

今朝、出ていた屋台に立派なのが売っていたから買ってきたのだそう。
竈門炭治郎
義勇さん、鮭大根好きですよね?
冨岡義勇
ああ。
竈門炭治郎
良かった!キッチンを借りても?
冨岡義勇
、、、作ってくれるのか。
竈門炭治郎
はい!任せてください!
にこにこと話をする竈門と、相槌を打ちながらやや和らいだ表情を見せる冨岡。

お互いに心を許しあっている雰囲気がして、俺はいたたまれなくなる。

この場にいることが何となく居心地が悪くなった。

だが、勝手に帰るわけにもいかないと思い、俺はどうしたら良いのかわからず後頭部を掻く。

そんな俺をチラリと一瞥した冨岡の視線を追って、竈門もこちらを見た。
竈門炭治郎
あ、すみません、俺たちばかりで話を進めて。不死川さんも食べますか?
冨岡義勇
炭治郎の鮭大根は美味いぞ。
どうしてそうなるのか。

やはり、この2人の考えていることはよくわからない。

だが今は、それがなんとなく愉快だった。
なら、お零れに預かろうかねェ。
俺がそう言うと、竈門が嬉しいというのを表現するように笑い、冨岡も表情をやや穏やかにする。

いつも無表情鉄仮面な冨岡の色んな表情を見て、何となく視線を逸らした。

竈門と冨岡はそんな俺のことを気にせず、というか気が付かず、2人で鮭大根の話で盛り上がる。
竈門炭治郎
不死川さんもいるなら、おはぎを作るための餅米と小豆を持って来たら良かったですね。すみません、そこまで予想できなくて。
冨岡義勇
餅米と小豆なら、、、あったはずだ。
竈門炭治郎
え!そうなんですか!?
冨岡義勇
赤飯の残り、、、が、、、確か。
竈門炭治郎
赤飯ですか!?何かおめでたいことでもあったんですか?
冨岡義勇
いや、質の良い小豆が安売りしているのを見つけたから、何となく買ったんだ。だが使い道がなくて、、、
竈門炭治郎
ああ、なるほど!おめでたくなくても赤飯は美味しいので食べたくなりますよね!うちは小豆も良いですが甘納豆を使ったりもしました!
冨岡義勇
甘納豆か、、、食べたことないな。
竈門炭治郎
本当ですか!?それなら、今度作るので一緒に食べましょう!何なら、一緒に鱗滝さんのところに一度帰ってみて、そこで作ってみんなで食べるのも良いですね!俺、お恥ずかしながら、いっつも作りすぎてしまうので、、、
冨岡義勇
そうなのか。
会話を続ける(というか竈門が一方的に喋っている)のを見て、あの2人は仲が良いのだなと何となく思う。

竈門は冨岡を慕っているようだし、そんな弟弟子を冨岡も何かと気にかけている。

俺のかつての兄弟子であり友人でもあるアイツ・・・の顔を思い出し、少し目を細める。

匡近アイツも、何かと事件を巻き起こす俺を気にかけてくれたっけ。

そういうことがあったからこそ、それを思い出させてくるようなコイツらは嫌いだ。

嫌なことを思い出させてくる。

だけど同時に、嫌いになりきることもできない。
さっさと作るぞォ。煮物は時間かかるんだからなァ。
俺が言うと、竈門と冨岡はきょとんと同時に俺を見た。
竈門炭治郎
え、不死川さんも手伝ってくれるんですか!?
勘違いすんなァ。遅くなったら手合わせの時間も減るだろうがァ。
竈門炭治郎
あっ、、、確かに。そうですね!
冨岡義勇
なら3人で作るか。
竈門炭治郎
良い考えです!みんなで手分けして作りましょう!何ならもうお昼時ですし、お昼ご飯を作ってしまいますか!
もうそんな時間かァ。
水の中に風が混じっているような歪な3人だが、まあ悪くない。

そう思える程度には、俺はこのおかしな水ノ兄弟弟子を嫌いになりきれていないのだった。
こんにちは。「藤」です。

今回のチャプターでこのお話は完結です!

これを書きながらひとつ思ったことがありまして。

それは、炭治郎本人が過去に戻っていないから、本人を慰める的な話が書けないということです!

というわけで、帰ってきてからはこの1話だけとなってしまいました、すみません。

それから、この場を借りてもうひとつ謝罪せねばならないことがありまして。

実は、私が小説の表紙に使っていた画像、Google先生で検索したものをそのまま使っているものでして。

他の小説で著作権は大丈夫なのかとご指摘があり、デフォルトのものへ変更させていただきました。

変更になっていないものは、私が自分のない画力を絞って描いたものなのでご安心ください。

プリ小説の作者様方が公式の画像や絵師様が描かれたファンアートを使っておられるのも多く見るので、プリ小説はそれを許可しているものかと勝手に思い込んでおりまして。

今後もいろいろとわかっていないようなことがございましたら、遠慮なくご指摘お願いします。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

不束者ですが、何卒これからも「藤」を、よろしくお願いします!

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