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『…。』
佐「…。」
何故だ。
何なんだこの状況は…。
言われるがままに着いてきてしまったが何かのご褒美ですか?
あのさっくんとティータイムなんて完全に意味が分からなさすぎる…。
沈黙になって体感10分、先に口を開いたのはさっくんだった。
佐「…えっと…名前、聞いてもいい?」
『あ、はい!!あなたの清水あなたの心愛と申します!!何でもお好きに呼んでください!!』
佐「じゃあ、あなたちゃんって呼んでいい?」
『っはいもうありがとうございます…。』
佐「ふははっw ありがとうございますってww」
『おっ、推しに名前を呼ばれるなんてご褒美の何物でもないっていうかなんていうか。ははっ。』
緊張しすぎてもはや乾いた笑いしか出ない。
ていうか名前呼びとかもう死んだっていい。
例えば、開始数分でトラックに轢かれちゃうような、そんくらいすぐに死んだとしても本望…。
あ、でも結局ゾンビになって生き返っちゃうわ。
…とか呑気に言っている場合ではなく、ちゃんとあの日のことを謝らなければ。
声が震えようが関係ない。
もう二度とこんなチャンスは巡ってこないんだからきちんと伝えなければ、きっと後悔する。
わたしは意を決してぽつぽつと話し始めた。
『あの、先日はすみませんでした。とっても失礼なことをしてしまったかと思って、機会なんてないと思って、でもそういう機会がもしあったら、絶対謝らなきゃなって思ってました…。』
佐「…俺、あの日かなり参っちゃってて、メンバーにも呆れられちゃったらどうしよって結構不安だったんだよね。だからあなたの心愛ちゃんがあの日に言ってくれたことがとても嬉しかったし、救われた。それをどうしても伝えたかったから、今日こうして会えて本当に良かった。ありがとう。」
『へ!?』
さすがに怒られると思ってたから感謝されるとは思わず、あまりにも予想斜め上の言葉に驚きを隠せなくて素っ頓狂な声を発してしまったが、ありがとうなんてわたしが言われる筋合いは無い…!!
わたしなんだってば!!
そんなことを心の中で思ってたはずなのに、気付けば言葉に出していた。
『待ってください!!感謝の言葉なんて、わたしが言われるなんて滅相もございませんって感じでっ…!むしろ逆で、あの日も伝えさせていただきましたが、いつもわたしがどんな時も助けられてるなと!!辛くてもすのちゅーぶ観れば自然と笑ってるし、曲を聞けばまた頑張ろうって思わせてくれる、どれだけ素敵な人たちをわたしは好きになったんだろうって誇らしくなるくらいっ…。はっ…!!ごめんなさいまたやってしまいました…。』
熱くなると止められない悪い癖。
またやってしまったと口をつぐみ落ち込んでいると、さっくんが笑いながら話し始めた。
佐「ふはっwwwホントあなたの心愛ちゃんって面白いよね。でもそんなに熱い分、気持ちもすっごく伝わる。俺もまた元気貰っちゃったし、だからこそ余計にもっと、あなたの心愛ちゃんのことを知りたくなっちゃった。連絡先、交換してくんない?」
『そうですねお願いしま…す…?はい?』
…チョットナニイッテルカワカラナイ…。
思考回路ショート寸前、むしろショートしまくって思わず富澤さんが憑依してしまった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!