第101話

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2025/07/12 14:31 更新



ーあなたsideー















はじめくんが振り向いてくれた



あんなに小さい声も聞き逃さず振り向いてくれた








そしてはじめくんと目が合った瞬間












はじめくんの隣にいた徹くんとも目が合った




及川「あなたー?おいでー?」











あなた「あっ…///」









暗闇の中、街灯の灯りでぼんやりと見える2人の表情は



いつも以上に優しくて、

あったかくて






思わず駆け出したくなるくらい











駆け出して

今すぐにでもすがってしまいたいくらい











愛しく思えた















でも、それは私のわがまま












まずは…、伝えないと





















あなた「あ、あのね…、」



松川「(お、やっと話せるか?)」














私は立ち止まったまま、少し下を向いて








あなた「……ふーぅっ、」



小さく息を吐いてから言葉にした












嫌がられるかもしれない、


迷惑だって言われるかもしれない、















何より…










今までみたいに過ごせるのか…、







不安、だけど















でも














月島『嫌だったら誘わないでしょ』












蛍に言われたあの言葉が私の背中を押してくれた
















あなた「また…、来てもいい?」


松川「ん?」


金田一「あなた先輩?」















一呼吸ついてから、もう一度













あなた「私、ここに居て」


及川「居てほしい」












私が言い終わる前に

徹くんの声が私に届いた











そして、いつもと雰囲気が違い

真っ直ぐで、吸い込まれるような目が私を見ていた










その次に、私の大好きな徹くんの笑顔になって








及川「俺が誘ったんだから、安心して来て?」


岩泉「俺らが、だ」


及川「ぐ…、それはそうだけど…、でも!」










ギュ






徹くんの左手が私の右手を掴んだ




及川「あなたに居て欲しい、それはみんな同じだよ?」







右手から徹くんの温かさが伝わってきた

大きくてあったかい手に安心する












いつもの徹くんの手だ
















あなた「うん…、ありがとう」







私はその手温かい手を握り返した















私、居ていいんだ








たった一言だけど、
言葉で聞くことができて
















あなた「みんなと…居たい」
















自分の声で気持ちを伝えることができた
















ー岩泉sideー











岩泉「しかし、今更そんなこと気にしてたんだ?」


あなた「えっ、」


岩泉「俺らがあなたを誘うなんで毎回のことだったじゃねぇーか」


あなた「うーん…、」















俺にとっては小さな事だった




あなたを誘ってるのは俺らだし、


居てもいい、なんて気にするとは思ってもなかった















少し気まずそうにしている様子から何かあったとは思うけどさ














あなた「実はー、」











あなたから音駒の主将から言われたことを教えてもらった
















岩泉「(そーいうことか)」









気まずそうにまだ斜め下を向いているあなた








岩泉「あなたそこは気に」


及川「なんなのそれ」











うわぁ…、

めんどくさい流れになっちまいそうだ









あなたの手を握ったままの及川が

怒りが交じった低い声でつぶやいてやがった






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