第52話

2ー10 廃墟巡り
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2022/08/06 08:36 更新






















in オンボロ寮

サバナクローで体力を使い切ったらしい皆んなはハーツラビュル寮に帰っていった。

現在時刻AM0:17。つまり深夜。男子高校生っていつまで起きてるのか知らないが、疲れていた様子だからもう寝ているだろう。
グリム
グリム
うぅ〜ん……ムニャムニャ………
見たかぁ、オレ様のスーパーシュートを………

無論、グリムも例外ではない。
怜悧
怜悧
(この寝言だと些か起きてるのかと疑うぐらいだけどね。)

ん? 私は女子中学生だけど寝てないのかって?

この正確な寝言で目が覚めてしまったんだよ。
あと、こちらの世界では常識を一から学ばないといけないからつい30分程前まで勉強してた。(電気通ってないので個性で出した炎を明かりに)

でもまぁ、理由はそれだけじゃないんだけど。

地球あっちの世界では深夜でもバリバリ起きてたから今更眠れないんだよね。

え? 何でかって?

さぁ、なんでだろうね。秘密。

え? 聞いてない? そこは触れちゃいけない所だよ。肝に命じておきなね。
怜悧
怜悧
このままじゃ眠れそうにないし、
怜悧
怜悧
お散歩行ってくるか。



before オンボロ寮

オンボロ寮の前に来てみたが、寮生が2人だけ、しかもそのうちの1人(私)は今お散歩中なので静けさに包まれている。
怜悧
怜悧
こう見てみると、オンボロ寮   ここ  だけ別の世界みたいだなぁ。

フォオ………
怜悧
怜悧
……………。

風が吹いて黒髪が揺れる。

















………………こっちに連れてこられる直前も風が吹いてた。その風に吹かれて髪が揺れてた。




怜悧
怜悧
…………………いつ、あっちに戻れるんだろ。
怜悧
怜悧
………………早く、戻りたい………。

ガサガサガサッ
怜悧
怜悧
!!
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
…………………ん? そこに居るのは誰だ?

そこに居たのは、漆黒のツノが生えた黒髪で蛍光色の緑色の瞳の人だった。
怜悧
怜悧
…………………( ゚д゚)

すごい。

ツノが生えてる!!

初めて見た!! ツノが生えた人!!
怜悧
怜悧
(ん? よく見てみるとお耳とんがってる………)
怜悧
怜悧
………どなた、ですか?
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
これは驚いた。お前、人の子か。

緑色のベストと腕章をしているので、ディアソムニア寮の人、人なのか……? だろう。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
お前、ここに住んでいるのか?
この館はもう長いこと廃墟だったはず。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
独りで静かに過ごせる、僕だけの場所として気に入ってたのだがな。
怜悧
怜悧
えっと、ここに住んでいるオンボロ寮の監督生です。怜悧です。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
レイリ? 珍しい響きの名だ。僕は………
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
いや。やめておこう。聞かない方がお前のためだ。

聞かない方がお前のため……?
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
知ってしまえば、肌に霜が降りかかる心地がするだろう。
怜悧
怜悧
私は肌に霜が降るの気持ち良いので別にいいですよ? 寒いの好きですから。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
…だからお前はその格好なのか。
怜悧
怜悧
え? あ、そうですね。

因みに私の現在装備の一覧を載せておこう。

・白ワイシャツ(制服の)

・黒ソックス(制服の)

・ベスト(制服の)

・ハイカットスニーカー(いつも履いてるヤツ)

・短スラックス(制服の)

以上!!!!

え? なんでパジャマとかじゃなくて制服オンリーなのかって?

金(マドル)が無いからだよ!! 学園長からは最低限(最早最低限以下では?)しか援助受けてないんだから!!
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
世間知らずに免じて、お前の好きな名前で呼ぶことを許す。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
いずれそれが、後悔に変わるかもしれないが………

この学園変人ばっかだわ。
怜悧
怜悧
…………好きな名前、ですか。あだ名で良いですか?
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
嗚呼。
怜悧
怜悧
う〜ん………。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
ふぅ………それにしても……
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
人が住み着いてしまったということはもうこの廃墟は廃墟ではない。残念だ。
怜悧
怜悧
廃墟じゃないと駄目なんですか?
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
嗚呼。僕の趣味は廃墟巡りだからな。
マレウス・ドラコニア
マレウス・ドラコニア
また次の夜の散歩用の廃墟を探さなくては。では、僕はこれで。

シャランッ
怜悧
怜悧
………消えた……。

廃墟マニアなのか?

う〜ん、やっぱりこの学園の生徒は個性的すぎる。変人が多い。

























まぁ、私もだけど。












in サバナクロー寮ーレオナの部屋
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
レオナさん、お疲れ様ッス。お夜食持ってきたッスよ。ついでに一仕事こなして来たッス。

深夜の荒野で潜み話す、2人の獣人が居た。
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
あぁ。お前は気が利くな、ラギー。

現在時刻はAM0:34
この2人の1人。ライオンの獣人、レオナ・キングスカラーはこんな夜更けに夜食を食べるというアンビリーバボーな生活リズムで過ごしている。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
そりゃもう。
レオナさんのためならお安い御用ッス。
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
っは。よく言うぜ。
自分の為にやってんだろ、お前は。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
……………やだなぁレオナさん。
オレたちのため、ッスよ。

………………前言撤回。コイツらは生活リズムのみならず現在進行形でやってる『狩り』もアンビリーバボーなものだった。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
世界をひっくり返してやりたいのは皆一緒ッス。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
伝説の百獣の王と手を組んだハイエナだって、自分たちの境遇をひっくり返すたまに百獣の王に従った。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
オレも同じことしてるだけッスよ。
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
ふん。なら『狩り』は慎重にやれ。証拠を残すなよ。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
シシシッ! もちろん。獲物はひとかけらだって残さず片付けるのがハイエナのポリシーッスから。

2人はまだ誰にも『狩り』の首謀者が自分達の寮だとは思われていないと勘違いしているのだろう。

真実に辿り着いている者が既に居るだなんて、頭から無いのだろう。だって2人は証拠を残してないのだから。

世の中、上には上がいるという訳である。
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
ところでレオナさん。
次の獲物ッスけど、どの寮の誰にしましょうか?
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
そうだなァ。
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
人の話をこそこそ立ち聞きしている狼、なんてのはどうだ?
ラギー・ブッチ
ラギー・ブッチ
えっ?

そう。真実に辿り着いている者はもう1人居た。
レオナ・キングスカラー
レオナ・キングスカラー
いるんだろ、一年坊。
そんなにでけぇ耳して立ち聞きとは趣味が悪いぜ。

特大ブーメランである。

コツコツコツと足音を立てて部屋に入って来たのは

自分達の寮、不屈の精神に基づくサバナクロー寮にいる唯一と言っていい”非”協力者────
ジャック・ハウル
ジャック・ハウル
………………………。











銀の牙狼、ジャック・ハウルである。


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   『2ー11 正論が全てじゃねぇんだよ』

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