一条視点
私の肩に寄りかかっている飯塚さんはそう答えた
... 本当に?
でも大丈夫なんて言われたらこれ以上何も言えない
1日 、 2日 、 楽器を触っていないだけで演奏力は落ちる
1週間のブランクは大きい
だからこそ 、 焦る
飯塚さんの言いたいことはわかる
自由曲のスコアを手に取って 、 中身を見る
... 難しい
去年と比にならないほどの難しさだ
隣で飯塚さんが一緒に見ている
音楽室の扉が開いた
... もうそんな時間か
その20分後には 、 全部員が音楽室に来ていた
あとは 、 先生方を待つだけ
... あと 、 5分経ったらくるでしょう
見習視点
音楽室に着いて 、 10分後先生が来た
そう言って越野先生は 、 CDを流し始めた
... 息を飲んだ
この曲がどれだけ凄い曲ということが
吹いてみたい
そう思った 、 けれど 、 この曲は圧倒的すぎる
越野先生が 、 自由曲を言った瞬間 、 ざわめきが起こった
一部は声が出せないほど驚いている人もいた
やっぱりさっき流していたこの曲は " 幻想記録 "
" 幻想記録 " それは 、 グレード7の最高難易度楽曲
僕の横にいた秋山くんもそう呟いている
越野先生はパートごとに楽譜を渡していく
ユーフォニアムの楽譜を受け取ったとき 、 手が震えた
一言で表すなら 、 地獄絵図
メモリーズ・リフレインと比べるとめちゃくちゃ難しい
天国と地獄の差
楽譜を見ていくと 、 一つの箇所に目がいった
確か 、 このソリは ...
全員に楽譜が配り終わったのか 、 越野先生が言葉を発した
... やっぱり 、 ユーフォニアムとのソリはトランペットなんだ
吹きたい
絶対に吹きたい
楽器室の中に入って 、 ユーフォニアムを出す
このソリは 、 トランペットとユーフォニアム1人ずつ
つまり 、 ダン先輩とソリをかけて戦うってこと ... ?
少しだけ横を見ると 、 ダン先輩がユーフォニアムを出していた
教室に入って 、 机にユーフォニアムを置く
譜面台と楽譜 、 チューナーをセットして 、 再びユーフォニアムを持つ
... 「 メモリーズ・リフレイン 」 か ...
というか 、 初っ端からある ...
メロディかな?
そう言って 、 ダン先輩はスマホを机の上に置いて 、
「 メモリーズ・リフレイン 」 を流し始めた
曲に合わせて 、 楽譜を追っていく
...
吹いてみてわかったけど 、 あまり苦戦する箇所がない
「 メモリーズ・リフレイン 」 の方はね ...
多分吹奏楽祭までの練習効果が出てるよ
問題は 「 幻想記録 」 の方なんだよなぁ
全部の箇所が難関というか ...
いや 、 それは言い過ぎか
ホルンソロの伴奏がやばい
なんだこれ
うーん ... と二人で譜面とにらめっこしていると 、
教室のドアが開いた
そう言い残して飯塚先輩はどこかに行ってしまった
様子見に来ただけか ... 何か言われるのかと思ったぁ
ま 、 まぁ 「 幻想記録 」 やろっと
...
むっっっっっっず!?!??!??
なにこれぇ ... ?
第一楽章 から 難しすぎる ...
透視点
ただ今 、 ハープを出すのに苦戦中です!!!!!!
なんでこんな楽器庫の奥の奥の奥の奥の方にあるの!??!?!?
というか 、 公立高校でハープあるんだ ...
阿鼻叫喚 !!
パーカッションパート全員で格闘してます!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!