窓の外は、夜の街が静かに光っていた。
大晦日の生配信も、事務所のカウコンも、
ドームツアーも無事に幕を閉じた。
SnowManデビュー5周年。
振り返れば眩暈がするほどの速度で
駆け抜けた一年だった。
6回目のデビュー記念日を迎える数日前。
グループ仕事を終えて楽屋へ戻る廊下。
誰かが笑い、誰かが冗談めかして予定を語る。
デビュー5周年を走り切った直後の解放感が、
メンバーの声色と会話に広がっていた。
軽口が飛び交い、空気はいつものSnowManだった。
達成感と少しの未来への期待を膨らませていた。
楽屋に着いて岩本が口を開く。
“止まる”という言葉が、軽く放たれたはずなのに、
楽屋の空気を切り裂いた。
その言葉に、誰もすぐ返事をしなかった。
エアコンの低い音と、遠くの街の
クラクションだけが楽屋に流れる。
5年間の景色が、誰の頭にも一瞬でよぎった。
渡辺は椅子にもたれかかり、腕を組んだ。
岩本の目は真っすぐだった。
彼の言葉に誰も反論しなかった。
だが、誰も頷きもしなかった。
その沈黙こそが答えだ。
その言葉に、楽屋の空気が少し硬くなる。
渡辺の声が聞こえているのか否か
向井は何も言わずに机を見つめ、
目黒は指先を絡めていた。
ラウールは窓の外を見たまま動かない。
岩本の声は冷たい。
その一言で、空気が完全に変わった。
そこに廊下でスタッフに呼び止められていた
深澤が遅れて入ってきた。
楽屋に入ってきた瞬間、異変を察知した。
声の温度、視線の鋭さ、沈黙の重さ。
いつもなら冗談が飛び交う場所が、
別の場所みたいだった。
3人は一瞬戸惑ったが、何も言わずに立ち上がった。
深澤は3人を連れて楽屋を出る。
扉が閉まる音が遠ざかる。
若い声が消えた分、空気はさらに重くなった。
深澤は楽屋の声が届かないほどの距離で
空いてる部屋に入った。
すぐ戻るから〜。と部屋をあとにする深澤。
宮舘が言った。それと同時に深澤も楽屋に戻ってきた。
ある。岩本は即答した。
間髪入れず渡辺が反論する。
言葉が鋭くなる。
佐久間が立ち上がった。
だが、岩本と渡辺は止まらない。
渡辺の声が震えた。
佐久間と宮舘が仲介に入ろうとするが、
ヒートアップする一方だった。
阿部はさっきから何度も口を開きかけては閉じていた。
言葉を挟めばもっと火に油を注ぐと
分かっていたからだ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!