第118話

26-1. 学生さん
1,617
2025/11/14 15:00 更新

あなたの下の名前side.





あぁー。休みたい。




今すぐ帰って、ふかふかのベッドで、

お気に入りのパジャマとあったかい部屋で…







『あなたの名字さんすみません、
今お時間よろしいでしょうか?』
あなた
ん?

『あっ、あの、午前中の報告を…』
あなた
…あぁ、そっかそんな時間だよね。
ちょっとだけ待っててくれる?

『はい!』


私の後ろから声をかけてきた子は、

昨日からここの病棟へ来た実習生さん。




大学病院ということもあって、

付属大学から毎年実習生がやって来るのだ。




私も当然昔はその1人だったわけで。

なんだか懐かしい思いにかられながら、

当時とはリボンの形が変わったユニフォームを見つめた。







手に持っていた経管栄養の紙パックを

溢れないように気をつけながらハサミで切る。


新人の頃はよく溢して怒られていたっけ。



Ns.目黒
ねぇあれ、
あなた
ん?
Ns.目黒
待ってんじゃないの?あなたの下の名前のこと。
あなた
あぁ実習生さんね。
そう、これだけ繋いじゃいたくて。
Ns.目黒
えっペアの人は?
あなた
今、橋山さんの褥瘡処置入ってて…
Ns.目黒
あぁそれは手放せないわ笑
俺やっとくから、実習生とこ行っといで。
あなた
えっいいの?
Ns.目黒
いいですよ〜笑
中身これだけ?
あなた
えっとね、指示書が…あったあった
エネーボもここに入れ…ます!はい!
Ns.目黒
おっけ〜
あなた
ごめん助かる!

後ろから「貸し1な〜」なんて聞こえてきた気がするけど

私は何も知りません。笑



あなた
実習生さんお待たせ!
報告だよね、お願いします。

『あっ、すみません!よろしくお願いします。
〇〇さんを受け持たせていただいております、
学生の△△と申します……』



一生懸命に悩みながら話す姿は、

どこか自分たちのあの頃を思い出すようで

少し気恥ずかしくなった。




私は学生当時、

看護師から散々嫌な思いをさせられたので、

自分は優しくありたいと思うのだ。




もちろん指導はするけど!










報告を聞きながら立っていると、

さっきまで誤魔化していた頭痛が顔を出した。



本日絶賛雨模様。

わたくし、朝から偏頭痛にやられております。










脈を打つような痛みが苦しい。

心臓の鼓動と一緒に痛くなるから、

それを感じるとなんだか気持ち悪くなってくる。




『それで…バイタルは…って、
バイタルはカルテに記録されますよね?』
あなた
『あの…あなたの名字さん?』
あなた
…あっ、ごめん、バイタルね
体温からお願いしていい?


危ない、危ない。

完全に意識がどこかにいっていた。



まとまらない頭で、

ひとまずカルテ立ち上げて…。




全く視界が定まらない中で

パソコンのナンバーキーに触れようとすると、



Ns.向井
あなたの下の名前、めめが呼んでるから
ナースステーション戻りや。
あなた
…?
Ns.向井
学生さんごめんな〜
こっからは俺が聞くで。

『あっ、はい!よろしくお願いします!』
Ns.向井
じゃあバイタルからかな?
もう一回お願いしてもええかな?



なんで康二くんが?

なんで目黒くんが???呼んでる??






こんな頭では訳もわからず、

やっとの思いでナースステーションに向かう。




Ns.目黒
あなたの下の名前、こっち。
あなた
カンファ室…?
Ns.目黒
いいから。


大きな手で左手首を優しく掴まれて、

なぜかカンファレンスルームへ。




あなた
なんで…ってえ??




お久しぶりです。桜です。

随分と時間を空けてしまい申し訳ありません🙇‍♀️

駄作で恐縮ですが、ぜひ…!




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