スイカが情報収集のために村へ偵察に行っている間。
拠点では千空がたたら炉の設計の見直しを、クロムは今ある炉の手直しを、コハクは再び川へと砂鉄集めに向かっていた。
────じゃあ、私は何をすればいいんだろう。
一人、拠点の辺りをあてもなく歩き回りながら考える。
正直に言うと最近の私は、逆にみんなの邪魔になってるんじゃないかって思えてきて仕方がなかった。
千空が私を心配して守ろうとしてくれているのは痛いほどよく分かる。だけど、そのせいでほとんどの作業もさせてくれない。
もともと私は、このドクストの世界にはいるはずのない人間だ。私がいなくたって、何の問題もなく回っていくのは当然のことなのに。
「せめて、もっと体が大きかったら」
千空たちと同じくらいの年齢だったら、こんな風にただ守られるだけじゃなく、もっと隣で役に立てることがたくさんあったのかな。
────あぁ、早く大人になりたい。
そんな答えの出ないぐるぐるとした思考に沈みながら歩いていると、ふと視界が開けた場所に出た。
そこには見渡す限りに大量の猫じゃらしが、青々と力強く群生している。
「ん? あれ、猫じゃらし?」
その見慣れた雑草の緑が網膜に映った、その刹那。
私の脳内に、原作の記憶がフラッシュバックする。
「────はっ! 猫じゃらしラーメン!!」
そうだ、これだ!!
村の人たちの心を100億パーセント掴み取るための、超重要な最重要キーアイテム!!











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。