5年前
俺はなーくんと一緒に電車に乗っていた。
隣にいる彼の目には光が無かった。
俺は気付いていた。
でも、見てみぬふりをした。
ふと気付くと、なーくんは隣に居なかった。
電車のドアの方を見ると彼が外を見て立って居た。
彼は振り向き、そう言った。
なーくんの目からは大粒の涙が溢れていた。
電車から彼は…
俺の大好きな彼は…
“なーくん”は…
__降りてしまった__
引き止めたが、運悪く電車のドアが閉まってしまった。
すると彼は、駅のホームで泣きながらも笑顔を作り、
口パクでそう呟いた。
どうしようもない俺は、ただ泣き叫ぶことしか出来なかった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。