低く、荒っぽい声が耳に届いた。
ビクッと肩が跳ねる。
振り向けば、月明かりに浮かぶ白い髪と、鋭い眼光。
不死川さんが腕を組み、仏頂面のまま立っている。
口調は乱暴。
でも、声の奥に滲むのは苛立ちよりも、心配の色。
歩み寄るその足取りは荒っぽいのに、
あなたのすぐ横に腰を下ろす動作は妙に慎重で。
悶々としていると、急に視界が暗くなる。
不死川さんの顔が至近距離にある。
顔を覗き込まれたんだ。
呟くように吐き捨てながら、 けれど彼は視線を逸らさなかった。
あなたは、返す言葉がなかった。
ぽた、と膝に落ちたのは冷や汗か、涙か。
言葉が震える。 でも、止められなかった。
不死川は黙っていた。
ただ、頬に一筋の線を描いたあなたの顔を、 苛立つでもなく、見つめていた。
気まずくて、恥ずかしくて。自分で考えても無理がある嘘しか出てこない。
横を見れば、不死川さんと目が合わない。
お人よしな言葉を並べるあなたを横目で見やった不死川は、しばらく視線をずらさなかった。
やがて小さくため息をついて、空を仰ぎながら、再び隣に腰を下ろす。
荒っぽい言葉の奥に、ひどく真っ直ぐな思いが潜んでいた。
あなたは息を呑んで一瞬静止した。
また目の奥が熱くなってくる。
かすかに漏らしたその声は、かえって弱々しかった。
小さな背中を見送った不死川は呆れたように、深く、息を吐く。
⭐︎×30 ありがとうございます🥹🫶🏻
とっても嬉しいです💖












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。