第3話

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2026/03/01 12:02 更新




  放課後の教室


  みんな帰ったあとの教室の匂いは少しだけ新鮮


  窓の外はオレンジ色で

  黒板にはまだ消し残した文字






 .
 まだ帰んないの 


  振り向くと君がいた



  ほんとは気づいてたけど

  でも、声をかけたらこの時間が終わる気がして。

  気付かないふりをしてた


 あなた
 あと5分だけ 


  なんで5分なのかは教えてくれない。


  君の隣に並んで座る。

  距離は近いのに触れられない

  触れたら何かが変わりそうで怖い


 あなた
 好きな人いるの? 


  なんの前振りもなく、
  急にそんなことを聞くから

  心臓がうるさくなる

  いないよっていえば嘘になる。
  いるよっていえば終わる。


  黙ってたら、君が小さく笑った



 あなた
 そっか、 


  その声が少し寂しそうで
  胸がぎゅっとなる


  


  5分なんてすぐでチャイムも鳴らないのに
  時間だけちゃんと終わる



  立ち上がった君の制服の裾を

  気づいたら控えめに、でもしっかり掴んでいた


  自分でも驚くくらい震えてて 情けない


 .
 俺さ、 

  声が上手く出ない


 .
 いるよ、好きな人 



  君がゆっくり振り向き、目が合う


 .
 目の前に 


  少しの沈黙



  夕日が君の横顔を赤くして
  それが余計に綺麗で。


  君は少しだけ笑って、俺の手をそっと握り返す


 あなた
 … 5分で足りるわけないね 


  その言葉で

  息が詰まっていたけど、やっと息ができた。


  

  明日も同じ教室で、
  同じ時間を待つ理由ができた。















  『5分じゃ足りない』は
  この時間が特別って意味です。
  好きな人と並んでる時間がたった5分では足りない
  ということ。
  つまり、もっと一緒にいたいという遠回しな告白です。







  メンバー目線です ◍˃ᵕ˂◍










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