第12話

「生きてて欲しかった。」 kgm×kid 曲パロ『拝啓、嘘つきな僕たちより。』
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2026/07/26 13:00 更新
甲斐田視点
貴方と歩んだ、沢山の日々。

僕は、それを抱えて、生きていかなくてはいけない。



でも、僕には無理だったみたい。


独りは、淋しいよ、ハヤトさん。
それから僕は、沢山の時間をかけて、

とあるものを書いた。

配信と研究をしながら、

何度もやり直した。

何度も考え直した。



やっと、出来た。

ああ、たくさんの人に迷惑をかけちゃうなぁ…

でも、もう辛いんだよ、


会いたいんだよ。









拝啓、ライバーの皆様、リスナーの皆様へ。


今まで、本当にありがとうございました。

共に歩んできた時間、思い出、全て、忘れません。

僕は、皆様のおかげで、今日まで生きてこられました。

でも、もう無理だったみたいです。

彼が亡くなってから、もう4年の月日が経ちましたね。

それまでにも、新しいライバーが増えたり、

たくさんのことをしてきました。

それが嫌だったわけでは無いです。

むしろ、楽しかった、嬉しかった。

でもね、ハヤトさんがいなくちゃ、意味がないんだよ。

2人になってしまったROF-MAO、

出せなくなった2人の新曲、

もう二度と更新されることのないXのアカウント。

本人は居ないのに、それだけが残る。

ハヤトさんが生きていたこと、それが、

思い出になって、過去になって、歴史になって。

それが、嫌だった、辛かった。

また、会いたいと思ってしまった。

だから僕は、12月2日、ハヤトさんに会いに行きます。

たくさんの人に迷惑をかけることも、

また悲しみを生むことも全てわかっております。

こんな、自分勝手な僕をどうか許してください。

そして、僕たちが皆様に嘘をついていたことも、

謝らせてください。

本当は、何かの記念で言おうと思っていた。

周年か、誕生日か、記念日か。

いつか言おうと思っていた。

約束していた。

でも、その日が訪れることはなかった。

ハヤトさんはきっと、自分のことなんか忘れなさい、

って言うんでしょう?

僕は、絶対忘れないから、忘れたくないから、

貴方と過ごした思い出、全部、全部、忘れないから、

3年前は、そう思っていた。

でも、言えなかったのが、相談できなかったのが、

つらかった。

ハヤトさんと約束したこと、全部守れなかった。

2人で海に行くことも、2人で旅行に行くことも、

2人の新曲を出すことも、2人で配信をすることも。

全部守れなかった。

だって、貴方がいないと、叶わないことだから、

決して、事実から逃げようと、

救われようとしたいんじゃない。

ただ、ただ、会いたい。

それだけなの。

こんな最後になっちゃってごめんなさい。

でもね、僕は幸せ者だったよ。

ハヤトさんのおかげで、みんなのおかげで。

僕は最後まで、幸せだよ。

ありがとう。

僕もまた、

思い出になって、過去になって、歴史になって。

同じ道を歩むんでしょう。

それでも、よかった。

僕たちが生きた足跡は全部、

歴史になってしまうのだろうけれど、

僕たちがいた、その事実だけでいいんだ。

だからどうか、貴方達は前を向いて、

乗り越えて、生きてください。


               嘘つきな僕たちより。
遺書は家の机において、

鍵は前日にマネージャーに渡しておいた。

海には何を持っていこう。

財布もスマホも要らないよね。

2人のお揃いのキーホルダーと、

ハヤトさんに初めてもらったプレゼント

でも持っていこうか。



もう、心残りはないよね。


今日で最後の、
甲斐田晴
甲斐田晴
行ってきます。
海へは車で行った。

いつもなら、ハヤトさんと他愛のない雑談をして、

くだらないことで笑い合っていた。

でも、もういない。


……会いに行く、から。

待っててね、
海についた。

冬の海は風が強く、寒かった。

海岸に靴を置いて、

キーホルダーとプレゼント以外はここにおいてゆこう。





僕は、キーホルダーとプレゼントを握りしめて、


海へ、踏み出した。















生きてて欲しかった。

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