テヒョン
「ジョングクはさ〜、こういうデートした?」
ヒョンは曖昧な表情でそんなことを聞いてきた
ジョングク
「デートで水族館に来たのは、今回がはじめてです」
"はじめて" と敢えて強調して言ってみるんだ
そうすると、ヒョンは嬉しそうな顔をするから。
テヒョン
「ふふ、別にそれを言わせたかったわけじゃないよ?」
「ただ俺が知らない時代のジョングクの話、聞きかったか
ら。」
ジョングク
「ヒョンが知らない時代の俺は__」
テヒョン
「元カノ?男は俺がはじめてでしょ?」
同性同士の恋愛って、
どうしてもどこかナイーブな問題を抱えている
どちらかがバイセクシャルだった場合
同性愛者は捨てられる恐怖とか、そのトラウマとか
そういうものに雁字搦めになる人もいるそうだ
例えば、
同性と付き合ってたけど異性と結婚した元彼の存在とか
そんな話をどこかで聞いたことがあった__
だからこそ、
俺は過去をオープンにして
ちゃんとヒョンに話そうと思った
______
ジョングク
「元カノは何人かいました。彼氏はヒョンがはじめて」
「だけど…一目ぼれしたのも、なんなら自分から人を好きになったのもヒョンだけ。」
だから安心してほしい、ってわけじゃないけれど
ひとつの安心材料にして欲しかった
テヒョン
「ありがとう。そう言ってくれて」
「俺は高校生の時は彼女がいたけど、それからは男と付き
合ってた。ジョングクは、なんとなく気づいてそうだっ
たけど、」
俺は気づいていた。
初めてセックスした時も、
男の俺相手にヒョンはすごく慣れてたし
それに、
俺が"ヒョンがはじめて" だと言った時の、
あの一瞬の間
本当は言わなくてもいいことなのかもしれない
でも、何も言わずに笑い合っているだけじゃ
俺もヒョンも、不安は消えない気がした












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。