第66話

66
411
2025/10/24 11:00 更新
テヒョン
「ジョングクはさ〜、こういうデートした?」

ヒョンは曖昧な表情でそんなことを聞いてきた


ジョングク
「デートで水族館に来たのは、今回がはじめてです」

"はじめて" と敢えて強調して言ってみるんだ

そうすると、ヒョンは嬉しそうな顔をするから。


テヒョン
「ふふ、別にそれを言わせたかったわけじゃないよ?」
「ただ俺が知らない時代のジョングクの話、聞きかったか
ら。」

ジョングク
「ヒョンが知らない時代の俺は__」

テヒョン
「元カノ?男は俺がはじめてでしょ?」


同性同士の恋愛って、
どうしてもどこかナイーブな問題を抱えている


どちらかがバイセクシャルだった場合

同性愛者は捨てられる恐怖とか、そのトラウマとか

そういうものに雁字搦めになる人もいるそうだ

例えば、
同性と付き合ってたけど異性と結婚した元彼の存在とか



そんな話をどこかで聞いたことがあった__


だからこそ、

俺は過去をオープンにして
ちゃんとヒョンに話そうと思った




______


ジョングク
「元カノは何人かいました。彼氏はヒョンがはじめて」
「だけど…一目ぼれしたのも、なんなら自分から人を好きになったのもヒョンだけ。」

だから安心してほしい、ってわけじゃないけれど

ひとつの安心材料にして欲しかった

テヒョン
「ありがとう。そう言ってくれて」
「俺は高校生の時は彼女がいたけど、それからは男と付き
合ってた。ジョングクは、なんとなく気づいてそうだっ
たけど、」


俺は気づいていた。

初めてセックスした時も、

男の俺相手にヒョンはすごく慣れてたし

それに、

俺が"ヒョンがはじめて" だと言った時の、
あの一瞬の間




本当は言わなくてもいいことなのかもしれない


でも、何も言わずに笑い合っているだけじゃ

俺もヒョンも、不安は消えない気がした



プリ小説オーディオドラマ