第41話

四十一日「思い出探し」
28
2026/08/29 17:00 更新
2026年8月23日。


今日は、私の家集合で、少人数で出かけるらしい。


家の前で待っていると、遠くで手を振っている泉さんが目に入る。

_幸崎@さいさき_ _泉@ぜん_
幸崎(さいさき) 泉(ぜん)
おはよー
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
今日は早いね
_水門@みずと_ _樹@いつき_
水門(みずと) 樹(いつき)
今日は学校行こうと思って
_稲前@いなまえ_ _羽月@はつき_
稲前(いなまえ) 羽月(はつき)
今日ねー、学校開いてるんだよ
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
それなら別に、学校集合でもよかったのに
_若藤@わかふじ_ _楽実@らみ_
若藤(わかふじ) 楽実(らみ)
学校というか、今日は通学路歩こうと思ってね
_若藤@わかふじ_ _楽実@らみ_
若藤(わかふじ) 楽実(らみ)
もう、この道行くこともないでしょ
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
……うん


早起きして、学校に行く。


いつもやってたことだけど、思えばもうやりたいと思ってもできないことだ。



_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
なんか、本当に登校してるみたいだな
_幸崎@さいさき_ _泉@ぜん_
幸崎(さいさき) 泉(ぜん)
あ、ここの信号引っかかると長いんだよな
_若藤@わかふじ_ _楽実@らみ_
若藤(わかふじ) 楽実(らみ)
まあ、気長に待とうよ

今までのことを思い出す。


遅刻しそうになって、その道を走ったこと。


みんなで駄弁りながら帰って、なかなか別れられなかったこと。


_水門@みずと_ _樹@いつき_
水門(みずと) 樹(いつき)
暑いな……セミもうるさいし
_稲前@いなまえ_ _羽月@はつき_
稲前(いなまえ) 羽月(はつき)
夏だねー
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
そうだ、あそこの家、ちょっと前に完成したんだよ
_幸崎@さいさき_ _泉@ぜん_
幸崎(さいさき) 泉(ぜん)
えー?そうなんだ、見てなかったな
_稲前@いなまえ_ _羽月@はつき_
稲前(いなまえ) 羽月(はつき)
確かに、ずっと工事してたかも

通学路を歩いていると、今までの情景が思い浮かぶ。


中学校と高校の方向が同じだから、三年と少し歩いた道だ。



最初は空き地だった場所に家が建っていたり、一度も入らなかったけど気になっていたお店が閉まったり、些細なことだけど、いくつも思いつく。


どれも私に直接関わることじゃない。


でも、そんな日々も思い返してみればかけがえのない思い出なのかもしれない。


_若藤@わかふじ_ _楽実@らみ_
若藤(わかふじ) 楽実(らみ)
ん、あそこになんか落ちてる?キーホルダーかな
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
あ、待って楽実、自転車来てるよ
_若藤@わかふじ_ _楽実@らみ_
若藤(わかふじ) 楽実(らみ)
え?危な……
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
みんなはさ……
_冬瀬@ふゆせ_ _瑞葉@みずは_
冬瀬(ふゆせ) 瑞葉(みずは)
死なないでね


そうだ。私が死んだのは、下校中のことだ。


みんなのことを大切に思ってるからこそ、二度と、誰も同じ目には遭わせたくない。


もうみんなに、悲しい思いはしてほしくないんだ。










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