第7話

僕からみたら
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2026/01/12 13:14 更新
神代類
神代類
(最近司くんの声が遠い気がする)
そう思ったのは朝の教室だった。
神代類
神代類
司くん
名前を呼んだのに返事がなかった。
正確には司はそこにいた。
机に座ってノートを開いている。
なのに一瞬、空気が抜け落ちたみたいだった。
神代類
神代類
司くん..?
もう一度呼ぶと、今度はちゃんと顔をあげる。
天馬司
天馬司
なんだ?
いつもどうりの声。
でも胸がざわつく
神代類
神代類
(今、見えてなかった..?)
神代類
神代類
(そんなはずない..)
神代類
神代類
(だって司くんはずっと隣にいるし、見失うわけがない)
先生
出席とるぞ~




名簿をめくる手が止まる。
先生
一人足りないな
教室がざわつく
類は反射的に言った。
神代類
神代類
司くん、います
先生は類を見て、少し困った顔をした。
先生
ああ、居たね
その"思い出した"ような言い方に、背中が冷える
神代類
神代類
(なんで、司くんが...)
神代類
神代類
(司くんは何も言わない)
神代類
神代類
(!?もしかして、司くんはもう忘れられたことに気づいてるんじゃないか)
放課後2人で歩く
神代類
神代類
司くん
天馬司
天馬司
....ん?
神代類
神代類
(返事が遅い...)
神代類
神代類
最近..
言葉を選びながら、類は続けた。
神代類
神代類
僕以外の人、君のこと見えてないような気がする
司の足が止まった。
神代類
神代類
寧々もえむくんも司くんのこと見てえない気がするんだ
夕焼けのなかで司は笑った。
でもその笑顔はどこか薄い
天馬司
天馬司
気のせいだ..
即答だった。
あまりにも慣れた否定
神代類
神代類
(嘘だ)
類は確信する
神代類
神代類
(司くんは何かを隠している。
でもそれは"言えないじゃなくて"言ったら終わるようなものだ)
神代類
神代類
ねえ
類は司の前にたつ
神代類
神代類
司くんはここにいるよね?
司が驚いたように目を開く
天馬司
天馬司
...なんだそれ
神代類
神代類
確認
類は司の手首を掴んだ
ちゃんと、温度がある。
ちゃんと、触れられる
神代類
神代類
いる...
それを確かめて、類は息を吐いた
司は目を閉じた
天馬司
天馬司
...類
声が少しだけ震えている
天馬司
天馬司
俺がいなくなりそうに見えるか?
その質問はあまりにも直球だった。
類は、答えを間違えたくなくて少し黙った。
神代類
神代類
....見えるよ
正直に言った。
神代類
神代類
消えかけてるみたいで怖い
司の指がギュッと握られる
神代類
神代類
だから、
神代類
神代類
何かあるなら僕に言ってほしい
神代類
神代類
一人で消えるなんて選ばないでくれ
夕日のなかで司の輪郭が揺らぐ気がした。
一瞬、焦点が合わなくなる
類の心臓がはねる
神代類
神代類
(今のは..なんだ?)
司は、かすかに笑った。
天馬司
天馬司
類は覚えてていてくれるか?
神代類
神代類
何を?
天馬司
天馬司
俺のこと
その問いに、類は即答した。
神代類
神代類
忘れるわけないだろう
---なのに
神代類
神代類
(胸の奥にやな予感がする....)
神代類
神代類
(忘れる、忘れないじゃない。
忘れさせられる。)
神代類
神代類
(そういう力がこの世界にはある)
帰り道、類は思う
司は自分を差し出そうとしている
誰かのかわりに
神代類
神代類
(次は)
神代類
神代類
(次は、司くんが何を隠しているのか聞き出す。
無理にでも聞き出す)
類は、夕闇のなかで拳を握った。
神代類
神代類
(世界が司くんを消そうとするなら、僕はそれに逆らう。)
類はそう決めた。

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