第19話

「いくぞ!」
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2024/01/24 07:45 更新
羽屋 瑠偉奈
えーと、そうしたら...うん、これで平気、だよね?
日向 樹莉
うんうんっ!さっすがるーちゃん!!
羽屋 瑠偉奈
ただの確認作業じゃん…。
えへへー、と呑気に笑う樹莉はさておき。
あと少しで、三年生のこれからを左右する試合が始まる。うう、自分が出るわけでもないのに緊張してきた...!
そわそわとしていると、真剣な顔をした樹莉が目の前に立っていた。
日向 樹莉
大丈夫、大丈夫だよ。るーちゃんも見てたでしょう?先輩たちの頑張ってるところ。
その言葉を聞いて、ハッとする。
一番近くで見てきた私が、私たちが彼等を信じないでどうする。マネージャーがこんなに不安になっていたら、彼等も不安になってしまう。
羽屋 瑠偉奈
...うん、そうだね。そうだよ。
選手を支えることが、私たちの仕事。だよね!
日向 樹莉
そうそう!るーちゃん、マネージャーらしくなってきたねー!
パシッと私の背中を叩いた樹莉は、ほら行くよー、と選手たちのもとへ向かっていく。
一瞬、大きく見えたその背中を、私は追いかけていった。
























安斎 誠
うわああ、やっぱり公式戦はキンチョーしますね!
河原 龍司
なーに言ってるの、キンチョーより楽しみなくせにぃ
安斎 誠
はは、確かにそうです!
ちょいちょいとちょっかいをかけつつ、安斎くんを落ち着かせるように話を弾ませている河原先輩。こういうときのチャラい人は頼りになるなあ、とぽけーっとスタートメンバーを眺める。
そんな私に、顧問の小林先生が声をかける。
小林先生
羽屋さん、メンバー表はもう渡してきましたか?
羽屋 瑠偉奈
はい!
メンバー表はさっき挨拶がてら渡して、こっちもメンバー表はもらった。それを伝えれば、小林先生は頷いて、審判の方へ歩いて行った。
風雅 奏
よーし、お前ら集合!
ピリリと空気を締める声に返事をしながら、全員が集まる。円陣だろうか、スタートメンバーを中心に大きな輪を作る。
風雅 奏
リーグ戦だからといって、負けていい試合は一つもない。わかっているよな。今日も、来週も、全部勝ってどんどん上へ進んで、……このメンバーで、インターハイ、行くぞ。
ビリッと、緊張が走り、部員たちの大きな声が響く。
風雅 奏
いくぞ!
“ ォシ! ”
試合が、動き出した。

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