えへへー、と呑気に笑う樹莉はさておき。
あと少しで、三年生のこれからを左右する試合が始まる。うう、自分が出るわけでもないのに緊張してきた...!
そわそわとしていると、真剣な顔をした樹莉が目の前に立っていた。
その言葉を聞いて、ハッとする。
一番近くで見てきた私が、私たちが彼等を信じないでどうする。マネージャーがこんなに不安になっていたら、彼等も不安になってしまう。
パシッと私の背中を叩いた樹莉は、ほら行くよー、と選手たちのもとへ向かっていく。
一瞬、大きく見えたその背中を、私は追いかけていった。
ちょいちょいとちょっかいをかけつつ、安斎くんを落ち着かせるように話を弾ませている河原先輩。こういうときのチャラい人は頼りになるなあ、とぽけーっとスタートメンバーを眺める。
そんな私に、顧問の小林先生が声をかける。
メンバー表はさっき挨拶がてら渡して、こっちもメンバー表はもらった。それを伝えれば、小林先生は頷いて、審判の方へ歩いて行った。
ピリリと空気を締める声に返事をしながら、全員が集まる。円陣だろうか、スタートメンバーを中心に大きな輪を作る。
ビリッと、緊張が走り、部員たちの大きな声が響く。
試合が、動き出した。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。