これは、人間の皮を被った鬼と鬼の皮を被った人間の優しい優しい約束のお話。
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吉原、それは遊郭街。
男は欲望を持って、女は生きるためにこの街に来る。
でも私は知ってる。
ここは遊郭なんかじゃない。
底辺の奴らが行き着く牢獄だ。
もし私が人間だったら晴れやかに大門を出ていく日を夢見て生きるはずなんだけど、生憎鬼なもんでねぇ…
トップなのに夢も見れない、仕事が終われば美しい人間を喰いに行くか、また静かに夜を待つだけだ。
ペラっ…📄
空から紙が降ってきた…?
ドスッドスッ……
スーッ
スーッ…ピシャッ
優しい目。綺麗な綺麗な目。
いつもならとって喰ってやろうと思うのにねぇ…
今あたしはこいつの作るホストクラブとやらに行きたくなってる。
この場所じゃ女は「物」
そんなあたしの心を分かっているかのような言葉。
お兄ちゃん、この人のこと信じてもいいかな。
お兄ちゃん、この人はあたし達のことを「人」として見てくれるかな。
開店するまであと2日…
その日まであたしは「蕨姫」として頑張る。
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早朝5時
ビュンッ
綺麗な光。
無惨が言っていた意味が少しわかる気がする。
姫とオーナーの交わした約束。
この約束はいつまで続くのでしょうか。
番外編、おしまい。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!