あ、もうそんな時間か…
私は小さく ” うん… ” と言い、
部屋のドアまで近づき、
ドアの隙間から朝ごはんを受け取る。
感謝を伝えて、ドアを閉めた。
ん、美味しい……
これを作ってくれたのは、次男の須知兄。
料理できるのって、すごいよね…
すると、こんこんとノック音が聞こえた。
そこに居たのは、藍兄。
どうやら、学校に行けそうかどうか聞きに来たらしい。
私はもちろん、” ううん… ”と以前のように小さく呟く。
藍兄は、
そう言って、静かにドアの前から去った。
in.六音高等学校
――藍side――
あなたの下の名前(ひらがな)を留守番させて、俺らは学校に行く。
あなたの下の名前(ひらがな)に関しては、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
げ、見つかった…
この猫なで声で話すのは、俺のクラスメート〈一ノ瀬 哀歌〉。
俺はこいつが大っ嫌いだ。
何故かって?
それはもちろん、
俺らの” 妹 ”を散々虐めてきたからだ。
なので俺は哀歌の問いかけにはほぼ無視をする。
その舌打ちも、丸聞こえなんだよ。
気持ち悪い…
〈一方、その頃のあなたの下の名前(ひらがな)〉
――あなたの下の名前(ひらがな)side――
私はもう、要らないんだよね…
臆病で…怖がりで…まともに外へ出られない……
だったら…
”消えよう”
そんな考えが、頭を一瞬よぎった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。