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第2話

2 . 距離
107
2026/03/08 02:29 更新



     スタッフに案内されて
小さな控室の前に立ったとき 、
私の頭の中はもう完全にパニック状態 。

「 いやいや待って推しに会う予定は
このあとサイン会の数秒だけだったはずでは ? 」
という疑問が何度もぐるぐる回っていた。

ドアが開く

その瞬間 、視界に入ったのは見慣れた顔で
でもスマホの画面越しでもステージでもなく 、
ほんの数メートル先に本当に存在している
IVEの末っ子だった 。


🐯
...... !



ヒョンソは私を見るなり 、
ぱっと顔を明るくした 。

帽子を取って 、少しだけ前に歩いてくる 。

そして まじまじと 私の顔を見たあとで 、
まるで思ったことをそのまま
口に出したみたいに言った 。


🐯
わっ 、かわいい ... 
.
...... ぇ



私の思考が一瞬止まった 。


.
( ぇ 、今なんて )



ヒョンソはスタッフからハンカチを受け取ると 、
嬉しそうにそれを両手で広げて見ながら
小さく笑った 。


🐯
これ 、私のなんです
.
やっぱり ......



〇〇はやっと声を出した 。


.
虎のワッペン 、かわいくて
.
…… あと名前も書いてあったから



そう言ってヒョンソは少し首を傾げた

そしてまた 、じっと私の顔を見る 。


🐯
......
🐯
やっぱり かわいい
.
... ???



私は混乱した 。


.
( なんで二回言った )



ヒョンソは気にした様子もなく 、
むしろ少し楽しそうに笑っている 。


🐯
拾ってくれてありがとうございます
.
ぃ 、いえ ... !
🐯
もし無くしたままだったら 、
たぶんジウォンオンニに怒られてました
.
ジウォン ... ?
🐯
リズオンニです
.
ぁ 、



私の頭の中でやっとメンバーの顔が浮かぶ 。

ヒョンソはそんな私の反応を見て 、
ちょっと嬉しそうに目を細めた 。


🐯
IVE 知ってますか ?
.
...... はい
🐯
誰好きですか ?



その質問に 、私の体が一瞬固まった 。


.
( 言っていいの ? ... いやでも ...... )



目の前に本人がいる

しかも本人が聞いている


私は少しだけ視線を逸らしながら 、小さく答えた 。


.
...... イソ 、です



その瞬間 、ヒョンソの目がぱっと輝いた 。


🐯
ほんと ?



そして一歩近づいた 。

さっきより明らかに距離が近い


🐯
私 ?
.
...... はい
🐯
ほんとに ?
.
...... はい



ヒョンソはしばらく私の顔を見つめて 、
それから嬉しそうに笑った 。


🐯
うれしい



そして 、ふと思い出したように言った 。


🐯
コンビニ 、
.
...... !



私の心臓が跳ねる 。


🐯
この前 、会いましたよね
.
...... 覚えてるんですか ?
🐯
うん



ヒョンソはすぐに答えた 。


🐯
目 、合いました
🐯
その時も思ったんです



少し身を乗り出す

距離が 、さらに近くなる 。


🐯
かわいいなって
.
......



私の思考が完全に停止した 。

ヒョンソはそんな私を見ながら 、くすっと笑う 。





🐯
緊張してます ?
.
それは 、してます ...



そのときスタッフが軽く声をかけた 。

「 そろそろサイン会の準備に入ります 」


🐯
あ 、はい



ヒョンソは素直に頷いたあと 、
もう一度私の方を見る 。


🐯
サイン会 、来ますよね ?
.
...... はい
🐯
じゃあ



少しだけ声を小さくする 。


🐯
また あとで



そして ほんの少しだけ身をかがめて 、
私の顔を覗き込んだ 。

🐯
ちゃんと来てくださいね ? ... ( 笑 )





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