体育館の隅。ほこりを巻き上げながら、モップをくるくると回す音が響く。
「次、ラインの内側!サボるなー!」
「副会長、そのモップ逆だって!」
掃除タイムリレー開始。生徒会、ガチである。
「ほな、行くで~」
対するバレー部も負けていない。
モップをバトン代わりに、阿吽の呼吸で回していく。
宮侑がターンを決めて滑り込み、
尾白アランが床をひと拭き、
すぐさま北が完璧な直線モップでしめる。
「芸術点高くない!?」
「掃除にスタイルいらんでしょ!」
古川は、額に汗を浮かべながらモップを握り直す。
(こんなの……風紀とかルールとか、それ以前に……ただの運動会じゃないですか!!)
けれど、不思議だった。
バレー部がふざけているのに、なぜか笑ってる自分がいる。
「ちょ、宮くん!!そこ拭いたあとまた汚してますよね!?拭いたそばから氷菓落とさないでください!!」
「わざとちゃうで? うっかりや~、な?」
にやりと笑う宮侑に、もう一度ツッコむ。
「風紀以前に、人としての良心を育ててください!!」
体育館に、風紀と自由のぶつかる音が響いていた。
す












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。