バ先コンビニへ続くいつもの道
突き刺す寒さが今日はやけに 強く感じる
あなたとの出会いは1年ほど前
ちょうどバイトリーダーになった頃だった
そんなことを思いながら壁にかけられた時計を見る
現在時刻 16:23
確かバイトの子が来ると店長から聞かされていた
そんなことを言いながらレジ前で外をボーッと眺める
入口の近くで立っている子
そいつが あなた。
バックルームに入れて履歴書を見る
そう言って深々と頭を下げる彼女
最初の印象は
もさっとしてて如何にも“真面目ちゃん”という感じだった
ふやける笑顔
困ったように眉を下げる
そんなこんなで
面接(ただの雑談)が終わる
制服に着替えたあなたは初々しくて
この時はまだ愛らしい程度に感じていた
仕事の教えていくうちに
少しづつ分かっていく
覚えが早い!!!!!!!!
観察眼が鋭い!!!!!!!!
最初は子供を見て可愛いと言うような
そんな気持ちだった
と思う
少しずつ
仲良くなって
喧嘩もして
それなりにいい関係だったと思う
きっと良い“センパイとコウハイ”だっただろう
それが崩れたのは
きっと、一方的な話だ
ある真夏の日
異様に蝉の音が耳にこびり付く夜だった
レジを離れる
言われた通りにゴミをまとめてダストボックスに運ぶ
少し目眩を起こす
店内に戻る
空いた店内
時間を見ればもう23:56
そう言って自分のバイクに向かう
バイクの座席に
袋が置いてある
恐る恐る見てみると
“先輩へ”
“ちゃんと休んでください”
つい
目頭が熱くなる
すき
そんな2文字の言葉じゃあ
表せきれない バカデカ感情
今きっと品確認をしてるあなたに
直接ハグでもしたい気分だった
あなたが前 言っていた
今思えばあの時からもう既に好きだったのかもしれない
心に残ったあの時の感情に
頭が勝手に蓋をしていたのかもしれない
自分とは違うであろう気持ちが籠ったうちのコンビニの袋を握り
リアボックスに入れる
デート、のつもりだった
勝手にデートにした
急いで送られてきた場所に向かう
息を整える
振り返る
こちらを睨んでるような顔を向ける
ずっと
ずっと あなたの隣に居れる時間だった
そのはずだった
声を 絞り出す
離れていくあなた
突然の事で立ち尽くしてしまった人混みの中
あなたを目で追う
そこには
楽しそうに知らん男と話すあなたの姿があった
頭がぐるぐるぐるぐる回転する
駆け寄る
あなたの隣にいる男は
もさっとした身長の高い男
品定めをするようにじっと睨む
威嚇をする
無意味だったようで寂しくなる
楽しそうに笑う2人
胸が 苦しい
笑っておちゃらける
心の中は荒んで当たり散らかしてる🙄
目の前で慌ててるあなたをみる
楽しそうに話すあなた
ガサッ
辛くて
葛藤した結果 逃げた
もう、
幸せを願うしかないのかもしれない
嫌でも
感じる
じわ
と熱くなる
寒い日
冷たい指に熱い涙が濡れる
その日は早めに風呂に入って
直ぐに布団に入った
メッセージを来るのが怖くて
充電コードに繋がったままのスマホ
そう言ってスマホを見つめてる
矛盾した行動
そんなの分かってるけど
けど、
“先帰っちゃって寂しかったです”
布団は温まって
体は眠気を誘っているのに
頭はぐるぐる渦巻いたまま
布団を頭まで被って無理矢理寝ようとする
♪
画面をタップする
通知が来ている
結局スマホを握っている自分の愚かさにも呆れながら
思いもがく
通知タグをタップする
アンケート
先輩の運命はいかに……!???!
どっち押すかで
41%
運命変わるよ
59%
投票数: 116票
※もうルレやってあります
先輩の名前何がいいですかね
無いままでもいいかな🤔
この名前どう??!云々の意見があったらコメへ
中性的な名前がいいかなーとおもてます
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。