第98話

↝少しづつ背伸びしよう
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2026/01/20 11:05 更新
















 …これ、あげる!!
 ほら綺麗でしょ?これ握ってたら 
 ぐわーって力出そうやない?
 だから、あげる!!
 絶対受かる!頑張れ!! 







 まるで怪盗のような格好をしていて、
 それなのに隠す気はあるのか大きい声を出して
 私にネックレスをくれたおにーさん。

 ただお気に入りのシャーペンを落として
 探して、壊れまくってしまっていたシャーペンを
 持って呆然としてた。それなのに勝手に
 おにーさんは受験生だと勘違いしてきた。




あなた
 おにーさん、
 私受験生じゃないよ? 




 初対面の人のはわざといつもより大袈裟に
 明るく振る舞うはずだったのに、なぜか
 すべてが見透かされそうでそのときは
 落ち着いて喋れていた。

 おにーさんの顔は覚えていない。
 だけど、慌てたようにワタワタとする姿が
 面白くて心が少し救われるような人だって思ってた。













あなた
 …おにーさん? 





segs
 …ん、?
 あなたちゃんどうかした? 
あなた
 …あ。えっと、その…
 な、なんでもないです!!! 




 明那先輩と一緒にいるときにふと思い出した
 記憶の言葉。それをこぼしてしまい、反応した
 明那先輩に意識が現実に戻ってきて急いで誤魔化す。

 ぎりぎりと引っ張られるような服の感覚に
 視線を向けると服の上からネックレスのある
 位置をつかんでいた。

 あれ、今まで忘れてたのにって思った。
 体だけは覚えてたみたいなそんな……?





segs
 …うそ。なんかあったんでしょ、 
 それ握ってるからわかるよ



 え、と目を見開いた。

 勝手についていた癖に明那先輩が気づいている
 とは思わなかったから。でも、それと同時に
 気づいてくれていることは嬉しくて堪らなかった。



あなた
 …いや、なんか昔の記憶思い出した
 だけで…なにか大変な事が合ったって 
 わけじゃないんです本当に!!




 なにかと私に心配しがちな明那先輩を
 落ち着かせるように「ありがとうございます」
 って言って目を合わせる。…と、明那先輩が
 そろっと少し照れくさそうに目を逸らす。



あなた
 …また、目合わせようとすると
 そうやってすぐ目逸らすんですか…!! 
segs
 うぐ、いやだって、 
 あなたちゃんが…… 




 止まった言葉に首をかしげる。

 聞こうと思ったとき、明那先輩がなにか
 思い出したのかのようにごそごそと何かを
 取り出してパッとこちらに見せる。

 なんだか既視感があるような……。



segs
 …これ、あげる!!
 たまたま見つけたんだけどあなたちゃんに 
 似合うなって買っちゃって……



 「別にいらなかったらいいんだよ!?
 俺が勝手に買っただけだし…!!!」

 慌てたようにつけ足した様子が
 あのおにーさんに似ていた。

 でも、そんなの関係なくて今は……。



あなた
 本当ですか、ありがとう
 ございます是非ですよ!! 
あなた
 明那先輩…じゃなくて、 
 あ…明那さん!!




 ぶわっと熱くなった明那先輩の耳。

 ネックレスを貰っているときにはっきりと
 見えた染まった色に目を見開いて固まってしまう。


あなた
 …先輩、まだ慣れて 
 ないんですか?
segs
 い、いやだって!!
 あなたちゃんたまにしか呼ばないし 
 先輩とさん付けじゃあ結構違うし… 
あなた
 う、まあそれはそうです…敬語も
 まだ抜けてませんし…じゃあ明那先輩も 
 私の呼び方変えてみましょうよ!!





 ふふんっとドヤ顔をして提案をすると
 モゴモゴと喋っていた明那先輩がガチリと
 動きを止めて、そして………




segs
 …あなたの名前の頭文字 例)明那→あ、あなた? 



あなた
 …ひえ… 



 ぶわっとさっきの明那先輩みたいに
 耳が熱くなったのを感じた。

 頬も熱くてなんとか冷やそうと
 手をピタリと両頬につける。




あなた
 …やっぱ、駄目です 



segs
 …でしょ…。だ、だから 
 ゆっくりにしよう!? 





 また慌てたように言う明那先輩に
 コクコクと縦に頷いて、慣れる気のしない
 雰囲気に2人して顔を見合わせて笑ってしまった。









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