桃奈side
あの日、
話が終わったあと、あなたはすぐに帰った。
「ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。」
と、言い残して。
あなたが帰ったあと、
11人で、泣いた。
「なんで……」「あなたっ…」
心からの叫びのようなものが、溢れていた。
しばらくして、何人かが落ち着いてきて。
落ち着いてきた人が、
まだ号泣し続けている人をなだめながら、
宿舎に戻った。
あなたは、いなかった。
「脱退の当日に一度ここによって、宿舎にさよならを言おうと思います。
荷物は全てまとめました。私の部屋に残っているものは、よければ皆さんで使ってください。
小川 あなた」
という置き手紙が残されていた。
その時、私は
「あ、本当のことなんだ」って思った。
どこかで、まだ信じていなかったのだと思う。
そして、
号泣した。
部屋にこもって泣くのではなく、みんなの前で。
私は、
メンバーとして、
リーダーとして、
友達として、
仲間として、
人として、
どうするべきだったんだろう。
あなた、ごめん。
あなた、今までありがとう。
あなた、大好き。
あなた、大大大好き。
あなた、本当に、本当に大好き。
なのに、 。
沈黙の中、誰かがつぶやいた。
𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹
次回、最終話です。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!