あれから数週間。
すっかりローレンの家での生活に、
馴染んでいた。
朝起きて、同じ空間にいて。
くだらないことで笑って。
それが自然になっていた。
でも────
ぽつりと呟いた言葉に、
自分でも少しだけ胸が痛くなる。
一瞬、沈黙が落ちる。
ローレンはため息をついて、
ソファに腰を下ろした。
いつもの軽い口調には、
どこか本音が混ざっていた気がした。
ここからの遠さに、顔が引きつる。
ローレンは立ち上がり、
軽く伸びをする。
少しだけ呆れたように笑いながら、
ローレンは肩をすくめる。
そうして、明後日には出発することになった。
でも、不安は消えないまま。
問題はもうひとつあったから。
ここ以外の居場所は、家だけ。
お父さんとお母さんは
私のこと受け入れてくれるかな……?
追い出されたら?
信じてもらえなかったら?
嫌な想像が止まらなくなる。
額に冷や汗が流れて、手汗がすごい。
ローレンの声で、現実に引き戻される。
慌てて笑って誤魔化す。
そうだよ、とりあえず今は未知の状況なわけで。
何があるかわかんないんだから。
一旦行動してみないと。
珍しく真剣な眼差し。
肩をガシッと掴まれて、目が合う。
決意はした。
帰ると決めた。
行った先で何があるか、わからないけど……
とにかくやってみないとだから。
ローレンには、迷惑かけらんないし。
その時の私は、まだ忘れていた。
考える余裕すらなかった。
ここは ”過去” なんだから───────












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。