遠い昔に聞いたおとぎ話で王子様が言ったんだ。
“僕はいつも考えてる 永遠は難しいみたい
やってみたい それなら「永遠」をしてみよう” と。
もう何度この夢を見ただろうか。
何度見ても涙は止まることを知らない。
ねぇ、ぐが。
俺たちはもう戻れないのかな
俺らの最後の夜。
俺はぐがへの愛がそのまま髪色に現れたような赤色で。
ぐがは真っ黒だったよね。
俺ね、知ってるんだ。
あの日、泣きじゃくった俺をなぜか抱きしめたぐが。
そんなぐがも泣いていたって。
どうして泣いてるの?なんて弱い俺が言えるわけなんかなく。
次の日俺らのベッドに温もりと
お揃いの指輪を残してぐがは消えたんだ。
-パシッ
俺らは少し愛の迷路に迷っていたんだ。
もう少し迷ってみようか?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!