第2話

祝、復職!
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2026/02/18 14:17 更新



バビルスの校門前…___

大きなカバンを手にした1人の悪魔が立っている。



あなた
やぁっと帰ってこられたよ…










教師寮にて…__

教師寮の広間で、各々が時間をまったり過ごしていた時、扉が勢いよく扉が開かれた音が反響する。


全員が背筋を伸ばしてそちらの方に目を向ける。


あなた
イポちゃああああああああああああああああああああああああああん♡♡♡♡♡♡
あなた
君の愛しのあなたが、帰ってきたよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡



その正体は、今まで休職をしていたバビルス教師、あなた・あなたの下の名前である。



彼の発した大声は壁を跳ね返り、空気を伝い、耳へと入る。




その場にいた教師たちは、ただでさえ伸ばした背筋をさらに震わせることになる。

特に、長い髪を1つ結びにした男性教師は……。


あなた
再会の記念に、まずは熱いキッスを……




言い終わる直前だった。勢いよく彼の眼前に飛んできたのは、靴のつま先。

そう、同期のイポス・イチョウのものである。


そのつま先はあなたの顔面にめり込むように突き刺さる。


勢いと衝撃に押され、そのまま扉の外に吹っ飛ばされる。


あなた
うぐふぁッ!!!!!!


どんがらがっしゃん、なんていうオノマトペでは到底表現できない轟音が、外から聞こえ、僅かながらも部屋の中に反響する。


ムルムル・ツムル
な、なんだなんだ!?
マルバス・マーチ
すごいキックだったけど…
イポス・イチョウ
………


振り乱れた髪を手で整えながら立ち上がるイチョウ。

その顔には、苛立ちが見える。


全員が困惑を隠しきれない中、渦中の人物がまた現れる。

服についたゴミをパッパと手で払い、何事も無かったような軽い笑みを浮かべながら。


あなた
もーイポちゃんったら〜
あなた
いくら俺に会えたのが嬉しいからって、喜びのあまりドロップキックしなくてもいいじゃ〜ん♪
イポス・イチョウ
帰ってきてそうそうに騒がしい…!
バルス・ロビン
な、なんですか!?すっごい音が聞こえましたよ!
ダンタリオン・ダリ
どしたのどしたの〜?
モラクス・モモノキ
一体何事ですか!?



騒ぎを聞きつけて、他の教師たちも続々と集まってくる。


あなた
あ、みなさーん。ご心配おかけしました〜。あなた・あなたの下の名前、本日より復職致します〜。
イポス・イチョウ
ぇ…!


あなたの言葉に、僅かながらピクッと反応するイチョウ。それをあなたが見逃すはずがなく…


あなた
あれ?イポちゃんもしかして嬉しいの?
あなた
喜んでるの?
あなた
仕方ないか〜。大好きな同期が帰ってきたんだから、喜ばない方が難しいよね〜☺️


イチョウの顔を覗き込むように話しかけるあなた。傍から見ればどう見てもだる絡みしているようにしか見えない。

あなた
俺もずっと会いたかったよ…


うっとりとした表情でイチョウに顎クイをするあなた。この男はとことんふざけ倒していることを知っているイチョウは、少し手加減をして突き放す。

イポス・イチョウ
相変わらずだな…
あなた
怒ってるイポちゃんもしゅき♡♡



そんな2人っきりの空間の外で、取り残された教師たちの話が広がる。

バルス・ロビン
あの、あの方は一体?
ダンタリオン・ダリ
あー、あの人はね、ちょっと休職していた教師だよ。
ダンタリオン・ダリ
2人は同じ時期にバビルスに来た同期でね。ご覧の通り仲がいいのさ。
ムルムル・ツムル
目と目が会う度に何かと騒動起こしてるけどな
マルバス・マーチ
まぁ、喧嘩するほど仲がいいって言いますし…
モラクス・モモノキ
仲が……良い…?
あなた
あ、君たちは俺が休職中に来た子達だよね!


イチョウの方からひょっこり顔を出し、ロビンとモモノキの方を見るあなた。


あなた
初めまして。俺の名前はあなた・あなたの下の名前。諸事情っていうか病気で休職してたんだ〜。
バルス・ロビン
えっ、病気で!?
モラクス・モモノキ
今は大丈夫なんですか?安静にしていた方がいいのでは…
あなた
うんうん、今はもう完治してるから、こうやって復職出来ました〜。
イポス・イチョウ
完治できたのか…よかった……
あなた
イポちゃん?
イポス・イチョウ
なんでもない
バルス・ロビン
僕、あなた先生のこともっと知りたいです!
バルス・ロビン
あなた先生はなんの授業を教えているんですか!?


キラキラした目であなたを見るロビン。それに対しあなたは気難しそうな顔をする。

あなた
あー、実は俺、かなりの雑用係っていうか…なんというか…
モラクス・モモノキ
え、科目を持っていないんですか?
バルス・ロビン
そうなんですか!?
あなた
うん、どっちかっていうと皆のサポートに回りたいから…


そう言いきろうとしていた瞬間。


イチョウの口が食い気味に開く。


イポス・イチョウ
面倒事をしたくないからですよ
あなた
ふぁっ!?
モラクス・モモノキ
え?
バルス・ロビン
え?



そう、あなたはなんの科目も教えていないが、それにはきちんとした理由がある。

イポス・イチョウ
なにかつけて、自分の顔がいいことを理由に断ってるんですよ。
あなた
ちょちょちょ!イポちゃん!?何言ってるの!?


突然の暴露に慌てふためきながら、これ以上の暴挙止めようとするあなた。


しかし、同期というものは非常なもので。


イポス・イチョウ
休職前、そろそろ自分の科目の授業を持たないかって話が来た時に「俺が授業すると、生徒のみんなが俺に夢中になってそれどころじゃないから」とか言って断ってました。
イポス・イチョウ
今思い出しても意味わからないですね…
あなた
イポち゛ゃ゛ん゛ッ!!!!!や゛べて゛!!!!!
ダンタリオン・ダリ
あーそんなこと言ってたね。僕も聞いた時は驚いたよ。
あなた
ダリちゃん先生も!!!勘弁してください!!!



先程までイチョウをからかっていた姿から一変、行き場の無い手をアワアワと振りながら、今度は自分が翻弄される側になっている。


イポス・イチョウ
だから、率先して雑用をこなしたり、他の教師の手伝いを買って出ているんですよ。
イポス・イチョウ
そうすれば、面倒事を押し付けられずに、楽な業務ができますからね。
モラクス・モモノキ
は、はぁ……
バルス・ロビン
でもでも!他の先生のサポートをしてるってことですよね!?すごいです!
あなた
君いい子だね…😭
ダンタリオン・ダリ
とにかく!復職おめでとう。また一緒に働けるようになって嬉しいよ!
あなた
ありがとうございます、ダリちゃん先生。
あなた
それと、これからよろしくね。ロビちゃん先生、モモちゃん先生。
バルス・ロビン
僕たちの名前知ってるんですか?
モラクス・モモノキ
あ、自己紹介が遅れて申し訳ございません!
あなた
いいのいいの、気にしないで。イポちゃんから大体聞いてるから。



あなたがそう言った瞬間、イチョウが一筋の冷や汗を流す。


この後に続く言葉を、ある程度想像できてしまったからだ。


あなた
イポちゃんって意外と照れ屋さんでね〜。俺が休職中に連絡くれたりお見舞いに来て…___




次の瞬間…___


イポス・イチョウ
うあああああああっ!!!!!!



その先の言葉を遮断するため、イチョウはまたあなたを蹴り飛ばす。

キックが直撃したあなたは先程と同じように盛大に吹き飛ぶ。




この後イチョウはエイト先生とオトンジャさんにかなり怒られた。


あなた
流石だねイポちゃん…昔から変わってなくて安心した……♡





続く___

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