🐣×🐰社会人設定
⚠︎この作品はご本人様に全く関係ありません。
そう貴方に別れを告げられてから今も尚、僕はこの改札の前でずっと貴方を待ち続けている。12月の雪がチラチラ降りはじめた夜に貴方だけを探して。
貴方の笑顔も、泣き顔も、怒った顔でさえ愛していた。どんな貴方だって僕なら受け入れる事ができたのに。
貴方は簡単に僕の腕の中から出て行ってしまった。
あの時の僕は、貴方が震えながら丁寧に話す言葉一つ一つに余りにも緊張感があって、どうしても「嫌だ」とは言えなかった。
まるで長い間ずっと言えずに溜め込んでいたみたいに見えてしまったから。
でも別れてもう2度と会うことも無くなった今は思う。貴方は本当は別れたくなかったのではないか。
だって理由も曖昧で、酷く苦しそうに泣いていたから。
もう好きではない相手に別れ話を伝えるだけなのに、そんなふうに泣いたりするだろうか。
ヒョンの事なら何でも分かると思っていた。自分がヒョンの事を知り尽くしていると過信していた。
実際、僕が知っていたのは僕が好きなヒョンの一部で。
自分の期待と寂しさばかり押しつけて、大事な部分を見ようとしなかったのかもしれない。
どんなヒョンでも受け入れられるなんて嘘だ。
僕の事が好きじゃないヒョン。
僕じゃない誰かのものになったヒョン。
そんなの僕にはとてもじゃないけど受け入れられない。
こんなのだからヒョンに別れたいなんて言われたのかもしれない。
そんな考えばかりが胸の中で渦巻いて、苦しくなる。
スマホの画面には、消せないまま残っている最後のメッセージ。
別れ話の直後、ヒョンが送ってきた言葉。
突き放したいなら、そんなこと言う必要なんてないのに。
届かない声を雪の空に向けて放つ。
fin.














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!