第16話

ノアさんと俺
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2023/11/20 13:37 更新










ノア「おっっら見たかガキィ!!!」

俺の方を見てコロンビアポーズをかますのはノスディシアさん。通称ノアさん。
さっきのやり取りを茶化していた騎士さん達をボコしに行って無事勝った口調が荒々しくなっているのを見るに多分戦闘狂。

コウタ『わー、物騒』

とは言っても、日本なんて毎日のごとく何処かで争いは多発しているし、なんなら俺の会社はハゲチャビン撲滅作戦が立案され、なんなら可決されかけていたほど物騒なブラックだったので何ら驚かない。
と、言うわけで先程の俺の発言には【(棒)】が付く。顔文字なら【( '-' )】。

フィール「フッ…、相手にされていないなノア。コウタはお前を意識なんてしていないようだぞ」
ノア「うっせぇフィール!!!!ガキを膝に乗せて喋んな!!!」
そう、今の俺何故かフィールの膝に乗っているのだ。理由は分からん。「ひゅーっとやってひょい」みたいな感じで膝に乗ってた。気配を感じ無かった。騎士こっわ。

コウタ『踏み潰されてる騎士さんの方が心配なんだけど。え、内蔵出てないよね』
ノア「騎士がそんなヤワな訳ないでしょぉ?そんな事もボウヤは分からない訳?」
あ、口調戻った。ノアさんの仕組みよく分からん。
コウタ『いや、そもそも俺は今まで騎士さんなんかに会ったこと無かったし。知ってる方が可笑しいでしょうよ』
騎士だし鍛えてるんだろーなとは思うけど、あくまで此処は異世界である。もしかしたら屈強なマッチョが魔法でドーピング的なのをしてるかもしれないだろ。さっきの厨房のマッチョとか。出来るのかは未知数だけど。

チラリと厨房のマッチョを見たらバチッと目が合ってボディービルダーのポーズをお返しされた。うん。魔法じゃあねぇな。
ノア「ああ言えばこう言う…可愛くないガキだなぁ~」
コウタ『可愛く見てもらわなくて良いですけど??ノアさんにそんな思考は求めてないですし』
ノア「うっっざ…フィールとは違うウザさ…」
ノアさんってフィールの事嫌いなんか?事ある毎にフィールへの敵意を感じるんだけど。


フィール「食べ終わったな。コウタ、風呂に行ってこい。場所は案内するよ」

5分位経って、フィールがそう言った。風呂……確かに服がベタついてたから嬉しい。……いや、あれ、でも確か…

コウタ『部屋にシャワールーム付いてたよね。俺それで良いけど?』
フィール「いや、湯船に浸かった方がいい。コウタは沢山魔法を使っただろう。本来魔力は空間や身体に満ちているもの。それが急に大量に無くなると身体に不調が出る。例えば眠気や倦怠感などが」

コウタ『……うーん、そうなると俺が急に眠くなったのはそのせいか』
フィール「そういうことだ」
なら、風呂に行こうかな。と、フィールの膝から飛び降りた。ら、そこにノアさんが割り込んだ。

ノア「え゙、オレも風呂行くつもりだったんだけどぉ…コイツと一緒かよ」
フィール「お前が部屋のシャワールームを使えば良い話だろう。コウタはまだ子供だ。優先すべきだろう。それに、彼は国公認の異世界人……云わば客人。それをノアは無下にするのか?」
クっと片方の口角を上げフィールが言う。

コイツ、煽りよる。

ノア「チッ…ああはいはい、分かりましたぁ。オレが我慢してコイツと風呂に入ればいいんでしょぉ」
コウタ『結局風呂入るんかい』

「文句あんのかコラァ」とばかりに睨んできたノアさん。はいはい文句ありませんってば。




フィール「此処が風呂場だ。扉を開ければシャワーもあるから、身体を洗って湯船に浸かるんだぞ」
コウタ『はーい、お母さん』
間延びした返事をすれば「私はお母さんではなくお父さんだろう」と返事。着眼点はそこに付けるべきでは無い。

フィールが脱衣場から出ていったので、此処には俺とノアさん2人だけ。特に話すこともないので、事前に渡された籠に着ていた服を脱いで入れていく。
初めにフィールに会った時に言われたように俺の着ている服はなかなか高級品のようで装飾(レースやボタン)が多い。脱ぐのに手間どい、時間はかかったけど無事に風呂に行けた。

蛇口を捻って水を出す。魔力を使った身体はほんのり熱を持っていたらしく、冷たい水が心地良い。ちょっと水圧のせいなのか、背中がピリッとしたけど。髪、上半身、下半身と洗っていれば、俺より服を脱ぐのが遅かったノアさんが荒々しく戸を開けて入ってくる。そのままこちらに寄ってきて隣のシャワーを使い始めた。
コウタ『よっ…と。うし、湯船湯船~』

言うまでもないが、風呂場も当たり前に豪華。ライオンの顔からお湯が出るやつだし、壁はピカピカだ。……この国の金銭感覚が不安でならない。
コウタ『あ゙~~、あっったけぇ……』

口からしゃがれたおっさんの声が出るほど気持ちいい。12歳(外面)なのに。
ノア「声やばぁ……てか、ちゃんと汚れ落としたよねェ?」
コウタ『落としましたぁ……ほら』
湯船に入ってきながらノアさんがそう言うので、立ち上がって一回転する。
ノア「…………背中は?」
コウタ『ええ、見せたじゃんー』

そうか、俺の動きが素早かったんだなぁ??ノアさんは俺の動きが見えなかったんだぁ??
アホなことを脳内に垂れ流している自覚はあるが、風呂の気持ちよさに陥落した俺の脳はただそうとしない。てか、実質無害。
ノア「やっぱり……

コウタ『んあ、なんか言った?』
ノア「…なんでもないしぃ。ガキはお気楽だなって思っただぁけ♡」
またコイツ俺をガキって言ったぞ…????










_side ノスディシア


ガキ__コウタより早く風呂から上がる。手早く服を着て、髪を火属性魔法で乾かす。

こんなこと、する柄じゃない。ただ、少し不愉快だっただけ。
早歩きで廊下を進み、そんな好きじゃないヤツの部屋の扉を開ける。

「なんだ……ノックもせずに」
フィール「どうしたんだ、ノア」
ノア「べっつに…ちょっと客人のことで報告が有るだけぇ」
フィールの綺麗な片眉が上がる。その仕草でアイツを大切にしてんなって事が分かる。聞いたところによると今日初めてあった人間のハズなんだけど。
……コウタの有用性でも見出したのか知んないけどぉ。

ノア「アイツ……虐待を受けてた形跡がある」
フィール「……ほお?詳しく聞かせてもらおうか」

胸糞悪い、風呂場での光景を思い出しながら口を開いた。






海外の方ってシャワーだけで済ます人が多いらしいですけど、ノアは綺麗好きなので(戦闘狂の癖に)お湯に浸かります。綺麗なアメジスト色(コウタに言わせるとムラサキイモの色)の髪の毛は毎日のケアあってのものです。



次回『厨房のマッチョとオムレツ』
お楽しみに

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