今日は一日太陽が隠れてる。
頭も痛くなるし気分も下がるし、
何よりぽかぽかした晴れの日が好きな私にとって雨は苦痛でしか無かった。
そんなことを考えてはため息をつく
ジェヒョンの声にハッとして目線を彼に戻す
と言って外を睨みつける私に
”全部雨のせいにすんな”と笑う彼
話すだけで心を明るくさせてくれるジェヒョンといたら、嫌いな雨だって乗り切れる気がする
”先生めっちゃ怒ってたよ”
なんて言うから背筋が凍って、急いで机の中にある教科書を取りだした。
”どこ、何ページ!?”と焦って教科書を開いて彼に聞くと
全部うそ。と言って笑い出す彼
何回目の嘘なのか分からないし、なんで毎回引っかかるのかも分からない
腹が立った私は教科書で彼の手を叩く。
それでも煽り続ける彼に呆れながら、椅子を前に向けて教科書をしまった
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一日授業が終わってリュックに最低限のノート類を詰める
そう言って歩き出す彼。
私も急いで彼に駆け寄る
少し先を歩く彼と、なかなか隣で歩けずにいたら察してくれたのか少し歩幅を小さくしてくれたジェヒョン
こういう所が女子にモテるんだろうなぁ、なんて思ったりして。
玄関に着き、スニーカーを履いて傘を取りに行く
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ない、ない...と思いながら傘立てを漁る
私の遅さに痺れを切らした彼が”何してんの?”と、こちらに向かってきた。
心配そうに土砂降りの外を見つめる私に、
”自分がされたように他の人の盗めば?”なんて言って笑わせてくれる
もうちゃんと考えてよ。そう彼に怒ると
彼は少し黙り込んだ
とか言ってしまうけど内心入りたい気持ちでいっぱいだった。
でもそんなこと言えるはずもないから下を向く
”じゃあどうやって帰るつもり?”と言い、私の手を引いて正面玄関をくぐった。
ちょっと...と言って彼の手を振りほどくけど、顔は嘘を付けなくて頬は赤色に染まる
傘をさして私を見つめるジェヒョン
ジェヒョンの言う通り一人では帰れないし、恥ずかしいけど入れてもらうことにした。
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普段通り話してるつもりだけど、いつもより彼が近くにいるせいか声が小さくなってしまう
沈黙が続いて
彼はなんとも思ってないんだろうか、恥ずかしいとか思ってるのは自分だけなのかな
とか、いろんな疑問が増えていく
そんな中、一瞬寒気が走る。
間髪入れずに”くしゅん”と、くしゃみが出てしまって咄嗟に鼻をすすった
恥ずかしいとか気にしすぎていつの間にか傘から肩が出ていたみたい、
見ると制服の半分はベタベタだった。
彼に申し訳なく思いながらもくしゃみは止まらなくて、くしゅんくしゅん咳き込む
それを見兼ねたジェヒョンが
と、私の肩を抱いて引き寄せた
慌てて体を彼から離そうと試みるけど、意外に力が強くて思ったように力が入らない
なんて言って軽く肩を叩いてみると
彼はそっぽを向いて、頭をかきながら口を開く
彼の頬も私と同じ色に染まっているのが正面からじゃなくても分かった
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それから駅に着くまで無言で
彼はずっと手を肩に回していた。
頬の色と同じで彼も私と同じ気持ちを持ってる?
なんて一人で口元を緩めてしまう。
自分の勘違いかもしれないけど許して、
そう思わせたのはジェヒョンなんだから。
”また今度も入れてね”
と耳元で囁いて下を向くジェヒョンを横目に、私は改札を通った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!