第65話

限界の時間
935
2026/02/28 14:27 更新
寺坂竜馬
イトナ!!!
殺せんせー
う、お、おっ!!!
外からは中の様子は見えない
でも地面にバチバチと触手が当たる音と、殺せんせーの焦ったような声が聞こえてくる
シロ
まずフィールドを劇的に変化させそれから襲う
シロ
当てるよりまずは囲うが易し
シロ
君たちの戦法を使わせてもらったよ
剣持刀也
これは…全てあなたの計画ですか
シロ
そういうこと
シロ
街で下着ドロを重ねたのも殺せんせーの周囲に盗んだ下着やら色々と仕込んだのもね
シロ
この彼を責めてはいけない
シロ
仕上げとなるこの場所だけは…下着ドロの代役が必要だったもんでね
鶴田
…すまない、烏丸さんのさらに上司からの指示だ
鶴田
やりたくないが断れなかった…
鶴田さんは苦しげに俯いた
シロ
生徒の信頼を失いかければあの怪物は慌てて動く
シロ
そこにきて巨乳アイドルの合宿という嘘情報
シロ
多少不自然でも飛び込んできてしまうあたりが間抜けだねえ
寺坂竜馬
くっそ…俺らの獲物だぞ
不破優月
いっつもいやらしいところから手ぇ回して…!!
シロ
それが大人ってものさ
シロ
そうだ!中の様子が見えないと不安だろう
シロ
私の戦術を細かく解説してあげよう
そしてシロはペラペラと自分の戦術を語り出した
要訳するとこうだ
この殺せんせーを囲っているシーツは対先生繊維の強化布であり戦車の突進でも破けないくらいとても頑丈
独特の匂いは洗剤臭で誤魔化してある
前とは違うイトナくんの触手に装着されているのは刃先が対先生物質でできたグローブで、高速戦闘に耐えられるようにしてあるから僕たちが使っているナイフより効果は落ちるが、じわじわと一方的にダメージを与えることができる
そして、イトナくんは常に上から攻撃して殺せんせーを逃さないようにしているみたいだ
シロ
これで仕留められないようではね
突然のことだ
殺せんせーを中心に白い光で爆発が起こった
建物のガラスが全て割れ、イトナくんのグローブが壊れながら宙を舞う
そして落ちる寸前で、殺せんせーが優しく抱き留めた
殺せんせー
そういうことですシロさん
殺せんせー
この手の奇襲はもう私には通じませんよ
殺せんせー
彼をE組に預けて大人しく去りなさい
殺せんせー
あと、私が下着ドロじゃないという正しい情報を広めてください
茅野カエデ
私の胸も正しくはび、Bだから!!!
…それは自分で広めれば良いのでは…?
世間に茅野さんの胸に関して興味ある人なんていないと思うんだけど…酷いかな
殺せんせーの言葉にシロはスッと目を細めた
イトナ
い…痛い…
イトナくんの声にみんなが視線を向ける
イトナくんの様子が何やら変だ
頭を抱え、口から涎を垂らし眉間に皺を寄せ、痛みを堪えている
イトナ
脳みそが裂ける…!!
シロ
度重なる敗北のショックで触手が精神を蝕み始めたか
シロ
ここいらがこの子の限界かな
シロ
これだけ私の術作を活かせないようではね
シロの口ぶりはまるで自分の作戦を実行できないイトナくんが全て悪いと言いたげだ
自分の作戦の穴は棚に上げている
シロ
イトナ、君の触手を一ヶ月健全に維持するのに火力発電所三基分のエネルギーがいる
シロ
これだけ結果が出せなくては組織も金も出さなくなるよ
シロ
君に情がないわけじゃないが、次の素体を運用するためにも…どこかで見切りをつけないとね
シロ
さよならだイトナ、あとは一人でやりなさい
なんて…なんて身勝手な行動なのだろう
殺せんせー
待ちなさい!!あなたそれでも保護者ですか!!
シロ
教育者ごっこしてんじゃないよモンスター
シロ
何でもかんでも壊すことしかできないくせに
シロ
私は許さない、お前の存在そのものを
シロ
どんな犠牲を払ってもいい
シロ
お前が死ぬ結果だけが私の望みさ
シロ
それよりいいのかい?
シロ
大事な生徒を放っておいて
塀を最も簡単に乗り越え颯爽とさっていったシロに、僕たちは唖然とするしかなかった
元々殺せんせーと同じでイトナくんだって普通の人間だったはずだ
普通に愛されて普通に遊んで笑って生きていくべき男の子だったはずだ
それを必要無くなったからとポイっと捨ててしまうのはあまりにも人間がやることではない
あいつには…人間の心がないのか…?
殺せんせー
っ!!
殺せんせー
危ないっ!!!!
殺せんせーが突然叫んだかと思うと、僕の目の前で何かが弾けた
イトナくんを見てすぐに状況を理解する
イトナくんの暴走した触手を殺せんせーが弾いてくれたのだ
イトナくんは荒い息を吐き、肩で息をする
そして呻き声を上げると、まるで動物の本能に従っているように飛び去っていってしまった
剣持刀也
…クソ野郎

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