リウside
テバクとチャンイのお散歩から帰ってきた後、必死に水を飲んでいる2匹に話しかける。
もちろん言葉は通じないので、テバクに首をかしげられた。
泣かせたのはジェヒョンなのか、テサンなのか
はたまた別の問題なのか。
本当は、好きな人が泣いていたら、抱き締めたいし、涙を拭って、話を聞いてあげたい。
けれど、その資格が自分にないことも分かっている。
そう、触れる資格がないなんて言いながら、つい頭を撫でてしまった。
あなたちゃんのことになると、つくづく忍耐力がなくなる。
可愛いうちの子を利用して、会いに来て良いよなんて言ったものの、本当は自分があなたちゃんに会いたいだけだし。
いやでも、好きな子を元気付けたい気持ちは下心でもなく本当の気持ちだ。
でもやっぱり、自分にもチャンスがあったりするのかな…なんて考えてしまう自分もいて、本当に嫌になる。
けれども、仕方ないじゃないか。
好きな子が幸せなら、笑えているならという言葉で、なんとか自分の気持ちを押し殺していたのに、彼女が泣いているのは話が変わってくる。
まぁ、泣いていた理由は分からないんだけど。
恋愛なんて、面倒くさくて、インドアでゲームばかりの自分には、向いてないと思っていた。
駆け引きとかそういうの、なんか嫌だし。
好意を寄せられることはあっても、自分が好きでもない子と付き合うのは失礼な気がして、結局恋愛経験もまともになかった。
だからジェヒョンみたいな恋愛経験が豊富な人が、結局あなたちゃんみたいな人を射止めるのも無理はないと思う。
まぁ、ジェヒョンは恋愛が下手ではあるけど。
自分は内向的でシャイだし、アプローチの方法とかも分からない。
そのうえ、テサンのように深い時間を重ねている訳でもないし。
ただ相談を受けてくれるサークルの先輩でしかない。
立場的に堂々とアプローチしていい身分じゃないし。
なのに、彼女に対する気持ちは増して、欲はどんどん出てくるのだから、恋って怖い。
周りの目とか、どうでもよくなるほど、いつか理性が飛ぶんじゃないかって怖くなる。
もし、あなたちゃんに気持ちがバレてしまったら、どう思われるだろうか。
裏切られたような気持ちになるかな。
知りたくなかったって、思うかな。
彼女を困らせたくはないし、彼女が望まないなら、この気持ちを無かったことにしようと思えるけど……
少しでも自分が幸せにできるって希望が見えてしまうと、気持ちが揺らいでしまう。
これだから恋なんてしたくなかった。
ねぇ、あなたちゃん。
いつか、いつか僕は……君を好きになってよかったと、思える日が来るのかな。
君を諦めなくて良かったと、隣で君が笑う姿を
見れる日が、来るのかな。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。