第2話

黄×赤
504
2025/08/01 07:00 更新

【るぅとSIDE】





スマホが震える。





画面には『莉犬』の文字。




はい、莉犬?どうかした?
『あ...るぅとくん?』
『今さ、ちょっとスタジオ来れたりしない?』
『今日の昼撮った曲、急遽撮り直しになっちゃって...』
えっ、今?
『うん!俺今一人で待機中なんだけど...照明暗くてさ〜』
『早く来て〜』
...分かりました、今から行きますね




そう言って電話を切り、立ち上がる。





僕は、何処に撮り直す問題があったのか考えながら、スタジオのドアに手を掛けた。





...莉犬?





照明、ほどんど落ちてるじゃん。







ポツンと着いている天井の非常灯だけが、室内をぼんやり照らしていた。








スタジオの中央には、ポツンと立つ莉犬。









その足元には___ぐったりと倒れた人影。






...は?
 




途端、血の匂いが喉を刺す。







僕は固まってしまう。







いや...まさか。






そんなことがある訳____







...るぅとくん。ごめん...



莉犬の声は掠れていた。



...え、?
俺...やっちゃった...
...は?なに...え...なにを??



声が震える。






莉犬はゆっくりとこちらを振り返った。




ッ俺、お話してただけなのに...!
何で俺、殺して...ッ
...どうしよッ、俺...!!




___分かった、落ち着いて





自分でもびっくりするほど冷静な声が出た。





僕は、自分に言い聞かせるように深く息を吸う。






...まだ、生きてるかもしれない
救急車、呼ぼう。ね?
でもッ、もう遅いかも...動いてないし...!



莉犬が目を伏せる。




涙が滲んでいるように見えた。





大丈夫、僕が何とかするから...




そう言って、ポケットからスマホを取り出そうとした__






だがその手を、莉犬が掴んだ。





ッ駄目だよ、!
通報なんかしたら、俺ッ...!!
っ...だったら




ぐっと奥歯を噛み締める。




僕がやったって事にしましょう
...え?
莉犬に、前科なんて背負って欲しくない
それに、僕は音楽...言わば裏方担当だから
抜けたってなんとかなる
だから___逃げて。僕が全部言うから
ッ駄目だよ、!そんなの...ッ!!
じゃあどうするんですか?





その時視界の端で、倒れていた人影がピクっと動いた。




ッ嘘、まだ生きて...?!
ッ莉犬、一旦ここから出よう
警察とか救急には後で僕が____





___その瞬間、部屋がパッと明るくなる。




ッ?!
『ドッキリ、大成功ー!!!!!』





何処からか、なーくんの声が聞こえてきた。







...え?




振り返ると、莉犬がさっきまでの涙目を忘れたかのように、くしゃっと笑っていた。






ごめんるぅとくん
...全部、ドッキリでした☆
どっ、ドッ...キリ......?
全部演技だし、これもセットしたものなんだ
でもカッコよかったなぁ、るぅちゃん...
俺の事守ってくれてありがと!
.........
うわぁぁぁぁぁ...
ははッw




脚の力が抜けて、思わず座り込む。




『でさ、るぅちゃん』
『今から俺、ジェルくんに仕掛けるんだけど見ていく?』
見ます!
『即答なの草』
え。ころちゃんも?
てか何処にいるんですか?
『隣の部屋だよ』
『これスマホをスピーカーにして通話してるだけだから』
『じゃ、早速仕掛けるから早めにおいで〜』










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