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店内は木を基調とした洗練された雰囲気で、
日本に行ったことはないけれど「 和 」の空気を感じた。
キョロキョロと周りを見ながら店員さんについて行く。
ここは全席個室で、韓国ではなかなか食べることの
出来ない伝統的な和食を嗜むことが出来るらしい。
雰囲気に圧倒されていたら、店員さんへの返事が
たどたどしくなってしまった。
そんな自分を少し恥じながら、靴を脱ぐ。
部屋は勿論 和室で、畳の良い香りがした。
机の下には何やら空洞があり、一体何かと店員さんに
聞いたところ、掘りごたつだと教えてもらった。
これもどうやら日本の部屋の様式らしい。
店員さんが持ってきてくれた温かいお茶を啜りながら、
ふと思ったことを口に出した。
2人で小さな約束をして、料理を決めるため机に置いて
あるお品書きを手に取った。
ちゃにひょんの優しい言葉に甘えて、
結局 僕は気になったものをいくつか注文した。
ちゃにひょんと話しながら暫く待っていると、
部屋の扉が開かれた。
店員さんは頼んだ料理たちを丁寧に机に置き、
軽く料理の説明をしてから出ていった。
頼んだものは全て綺麗に盛り付けられていて、
食べるのが勿体ないと思ってしまうほどだ。
遂に念願の握り寿司との対面を果たした僕は、
感動で胸がいっぱいだった。
2人でいただきますの挨拶をして、すぐに握り寿司に
手を伸ばした。ちゃにひょんも食べたがっていた天ぷら
を見て目を輝かせている。
あまりの感動からか、独り言を言いながら食べている。
そんなひょんがなんだか可笑しくて、自然と笑みが
こぼれた。
他にも一緒に頼んだ料理を分け合い、普段とは格別な
晩ご飯の時間を過ごした。
ちゃにひょんがお会計を済ませてくれて、僕たちは
店を出た。
時刻は19時をまわり、少しだけ肌寒かった。
今は冬だし、そろそろ星が見頃の時間だろう。
夜空に煌めく星たちに囲まれ、愛する人と過ごす夜は
きっと素晴らしいものになる。
あと少しでこの幸せな一日が終わってしまうことに
寂しさを感じたが、そんなことは吹き飛んでしまうほど
僕はこの後が楽しみだった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!