家に帰ってから 、ベッドに飛び込んだ 。
沈んだベットは まるで僕を鏡写ししている様で 。
自然と頬が緩んで ずっとニヤニヤしてしまう 。
スマホを片手に 3秒に1回画面を覗く 。
何回も開いたホーム画面に通知はなくて 。
何期待してんだって 。笑
………
📞 ( prrrrrrr …
風呂を出ると
眠気が一気に襲ってくるのは 何故だろう 。
いつもの癖で 、スマホを片手にとる 。
『 不在着信 1件 』
通知をタップして 、折り返し電話を掛ける 。
髪を乾かすのを忘れて 、
タオルを首に巻いたまま ずっと話す 。ずっとずっと 。
さっき水槽に入れた葵も 、月に照らされて 踊っててさ
ずっと続けばいいのにって思った 。
窓を開けても 、夏風が前髪を揺らすだけで
僕達2人だけみたいに 世界が静かで 時が止まったみたいだった 。
映画のワンシーンみたいで 、少し火照った 。
飽きないけど 飽きる程 話して 、
本当に今日知り合った ? ってくらい 話してさ 。笑
一目惚れした女の子と話せてる事が嬉しくて 、
空間さえも愛おしかった 。
大嫌いな夜も 、今日だけは許してやろうかなって 。笑
ずっと 心臓がドキドキして煩くて
あなたの下の名前(漢字)さんの声が途切れたのもこの頃 。
深夜3時 。
繋がりをまだ求めて 、気付いてない振りをして
電話を切らなかった 。
あなたの下の名前(漢字)さんの寝言を子守唄にして 、
深い浅い眠りについた 。
額を流るる汗も 、いつもより冷たかった 。
⟡.·
実はもっと前に起きてて
朝の支度も終わっているけど 。笑
スマートに言ってたら かっこよくない ?
カーテンを開けながら 馬鹿みたいなことを思う 。
今日は入道雲がよく生きてる 。
もう電話を続けて10時間 。
熱を帯びたスマホを耳に 駅へ向かう 。
何としてでも切りたくなかったからさあ 笑笑
( ……
電話が切れた後 、
意味もなくホームのベンチに座る 。
前かがみになって 膝に肘をつけてさ 、
顔を覆って 気合い入れた髪もぐしゃぐしゃ 笑笑
小さくため息を着くことしか出来なかった 。
愛おしくて堪らないため息 。
切ったあとも 、声とか こんな顔してんだろうなとか 気持ち悪い妄想ばっかりして 。笑
あなたの下の名前(漢字)さんの電話番号をずっと見つめてた 。
電車の追い風が心を浄化してくれる訳でもなく 、
窓の外も心を癒してくれる訳でもなく 、
ずっと 声 と 出会った頃 の 葵い簪 が 僕からしがみついて離れなかった 。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!